事業仕分けは画期的だが、問題もある
政府の行政刷新会議が11日から始めた来年度予算(要求)の事業仕分けは、国家予算づくりの過程を部分的にせよ国民の眼前にさらけ出した点で画期的だ。官僚支配に乗っかった自民党中心の政治において、国のカネが天下りや特定層の権益のためなどで、どんなにでたらめに使われてきたかがわかった。それをメディアで知った国民は怒り心頭に発しているのではないか。
これまでの国会審議は予算委員会に示されるように、予算の中身を審議することはほとんどなかった。議会がさぼってきた予算案の審議を個別事業ごとに行なうというのだから、すごいことだ。
例えば、11日に、国土交通省の下水道事業や農林水産省の農業集落排水事業は、地方自治体へ移管するとの判定がなされた。下排水処理については下水道と農排水と合併浄化槽との3つの選択肢がある。下水道と農排水とは道路などと同じく公共事業そのものであり、しかも近接してつくられたりしている。そこに巨額のムダがあることは知る人ぞ知る。地方移管でムダがなくなるか疑問だが、そこに初めてメスを入れる可能性を感じさせる判定である。
今回の事業仕分けは限られた予算項目についてしか行なわれないが、それ以外の予算項目についても、日数がかかってもいいから1年間のうちに順次やっていくことを求めたい。とともに、地方自治体の予算についても、すべての自治体が同様な事業仕分けを公開の場で実施するようになってほしい。
予算をどうつくるかはまさに時の政権がどんな政治をするかを示す重要なプロセスである。だから、透明性を確保した事業仕分けの意義は非常に大きいが、問題もある。例えば、画一的に短い時間のうちに結論を出すことである。議論を尽くさないうちに一定の結論を出さざるをえないものもあるから、複雑な要素を抱えている予算については、“復活折衝”ではないが、改めて議論する場を設けたらどうか。
また、仕分け人としてさまざまな分野の専門家が加わっているが、彼らが議論の対象についてすべてくわしいとは限らない。したがって、見落とされた視点、異なる視点からの指摘をパブリックコメントとして受け入れることも考えていいのではないか。
ネットを使えば、どこからでもリアイルタイムで事業仕分けの現場にアクセスできるというやりかたは民主政治の新たな試みである。それは国民の政治への関心を高める。“公開処刑”みたいな印象を与えるのはいささか気になるところだが。
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