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2006年8月 2日 (水)

「格差」を異なる視点から見る

 最近、また格差論議がさかんになっている。所得格差、世代間格差、世代内格差、地域格差など、いろいろ言われる。それが小泉改革の”罪”との意見も少なくない。

 そうした格差の生じた原因に関連して、2つの点を指摘したい。第1に、公務員の給与等が民間平均をはるかに上回るという官民格差の存在である。バブル崩壊後の10年以上にわたる経済低迷で、民間企業の人件費削減はすさまじかった。人減らしと給与等のカットが行なわれ、社員の労働密度は猛烈に高まった。

 他方、国と地方の公務員および政府系諸機関等に働く合計約900万人はクビの心配もないうえ、賃金は高い水準を維持してきた。総務省の労働力調査によれば、全国の正規職員・従業員は全国で3340万人だが、その3割近くが公務員およびその関連だ。この「官」の高止まりが格差拡大を引き起こしている点の分析がなぜか無い。

 第2に、世代間格差や世代内格差は、企業が総人件費を削減して生き残るため、労使が社員のクビ切りや賃金切り下げを最小限にとどめ、新規採用を極端に抑えたためだ。しかし、団塊の世代が引退すると、企業の総人件費が相当下がる。1人の退職者の給与で若者を2ないし3人、社員として雇える勘定だ。だから、これからは若者を正社員で雇ってもおつりがくる。日本型企業の競争力の根源を考えると、正社員を増やす方向に行くのではないか。一番、厄介で深刻なのは地域格差の問題だろう。

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