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2006年9月13日 (水)

自民党総裁選候補の財政観

 小泉首相の後を誰が継ぐか。自由民主党の総裁選に出馬した3人の候補者は財政危機をどうとらえているのか。3人の候補者がつくったパンフレットから、該当する個所を見てみた。

 安倍晋三候補=「具体的政策」の②「自由と規律でオープンな経済社会」の(5)「成長なくして財政再建なし」で、 ○将来の世代にツケを先送りせず、財政を確実に健全化 ○歳出・歳入一体改革の具体化においては、経済成長を前提に、歳出改革に優先取り組み ○消費税負担のあり方、直接税のあるべき所得再分配効果など、中長期的視点から総合的な税制改革の推進

 谷垣禎一候補=解決のために行動したい3点の1つとして「第3に、未来社会に向けて子や孫へツケの先送りを許さず、財政の立て直しに逃げずにぶつかります。」という。  「国の借金である債務残高の国内総生産に対する比率を安定的に引き下げていくために、2011年を目途として今後5年間、具体的な歳出削減策を実行し、血のにじむような努力を続けていかなければなりません。それに加えて、歳出削減だけでは基礎的財政収支の黒字化ですら難しい状況」、「増税の話をする前に、できる限りの努力をすることは当然です。」、しかし、「社会保障関係費が国、地方ともますます増えていく現実を見据え」、「消費税を社会保障のための財源と位置づけ、2010年代半ばまでのできるだけ早い時期に、少なくとも10%の税率にする必要がある」、「同時に、消費税だけでなく、所得税や相続税なども含め、税体系全体の見直しを行う必要がある」。

 麻生太郎候補=「2.基本政策」の中の「1.経済政策」で、「国と地方を合わせた日本の借金は膨大な額に上り、先進諸国にも例のないものとなっています。早急に、財政再建への道筋をつけなければなりません。しかし、私は財政再建原理主義はとりません。財政は、それ自体が目的ではありません。財政は、政策実現のための手段です。今の日本に必要なのは、持続的かつ安定した経済成長です。」、「政策減税を最大限活用し、活力ある日本を実現します。」、「政策減税で社会の活力が上がり、行政経費が削減されたり、税収が増えれば、トータルでプラスです。」 「まずは徹底的な歳出削減を優先し、その後に、必要な増税を国民の皆さんにお願いします。」

 パンフレットは、安倍氏が「美しい国、日本。」を掲げ、「いま、新たな国づくりのとき。」という副題を付けている。谷垣氏は「絆 KIZUNA」を掲げ、「『活力と信頼の国家』を創る~『絆』の社会を目指して~」という副題を付けている。麻生氏は「日本の底力」を掲げ、「活力と安心への挑戦」を副題としている。パンフレットはA4で、安倍氏4ページ、谷垣氏24ページ、麻生氏28ページ(いずれも表紙込み)。谷垣、麻生両氏はすべて語り言葉で、安倍氏は語り言葉は1ページのみ。

 いまも深刻化し続ける財政危機から遠ざかるのは容易なことではない。経済成長率と長期金利のゆくえ、歳出削減の度合い、増税策などが重要なカギを握っているが、一方で、景気回復が持続しそうなうえ、格差問題などが強調されるようになったことから、参院選挙を意識して構造改革の手を休め、歳出抑制をゆるめる危険性がある。肝心なのは、総理大臣をはじめとする政治指導者が財政再建の道筋をきちんと描き、それを着実に実行することだ。3候補者は骨太の方針を決めた小泉内閣の閣僚だから、いずれも財政再建を口にしている。だが、内容が大雑把すぎる。                                               

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» 石弘光を抹殺せよ [非国民通信]
「消費税を社会保障財源に」政府税調会長が談話発表 (読売新聞) - goo ニュース  筋金入りの御用学者である石弘光氏のコメントが紹介されています。曰く、消費税を社会保障の財源にせよ、と。まあこの御用学者でなくても、政府閣僚でも言うことは同じでしょう。いつのまにか社会保障の財源名目でも消費税増税が既定路線となっています。  日本の財政は大赤字で借金の利息を払うだけで精一杯、最も軽視されている社会保障なんてのはこのままでは破綻が確実なわけで�... [続きを読む]

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