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2006年9月17日 (日)

本当に予算審議しているの?

 最近、財務省が発表した「平成16年度 国の財務書類」の「ポイント」を読んだ。民間企業の財務データを読むのと似た感覚で読めるというから、私たち国民も目を通してみよう。

 国の財政は一般会計と特別会計とから成る。私たちになじみのある一般会計の財務書類は、各省が所管する一般会計の金額を合計したものである。平成19年度予算の概算要求が82兆円余というのがこれにあたる。発生主義で計算された一般会計の平成16年度の「業務費用」は77.5兆円だった。内訳は、特別会計への繰り入れが32.0兆円、補助金等が25.6兆円、利払費7.4兆円、人件費5.1兆円、減価償却3.8兆円、事務費3.0兆円、その他0.7兆円である。

 特別会計への繰り入れは国会の審議の余地がないといわれるように、自動的に決まってしまう。補助金等は新規の政策に伴うものは審議されて当然だが、継続のものは、金額の変動はあるものの、ほとんどフリーパス。そして、利払費以下の費用はまず、いじる余地がない。となると、国会の予算審議は何をしているのだろうか、と疑問を抱く。衆議院予算委員会は、全閣僚が出席し、予算以外の問題の審議に長時間を費やすが、その理由がわかったような気がする。「骨太の方針」による大枠のしばりはあるものの、最も大事な一般会計の予算に関して、国会議員は各省の官僚が提出し、財務省の官僚が査定した予算案の中身を鵜呑みするだけのようだ。 

 一般になじみの薄い特別会計も、各省が所管する。社会保障関係の厚生保険特別会計はじめ、食糧管理特別会計、道路整備特別会計など多数ある。ところが、特別会計は別途、法律で定められたもので、カネの入りも出も、ややこしい仕組みになっている。まず、審議の対象にされない。手をつけようとする政治家もまれだ。

 「国の財務書類」は、各省庁ごとに所管しているこれら一般会計と特別会計とを単純に合計した国全体のフローとストックを開示している。それによると、平成16年度の「業務費用」は123.3兆円。内訳は、年金・政管健保等46.3兆円、補助金等31.2兆円、地方交付税交付金等19.3兆円、利払費9.7兆円、人件費5.7兆円、減価償却費4.4兆円、事務費4.3兆円、その他2.5兆円である。

 その財源は102.3兆円で、不足額は21.1兆円に及ぶ。102.3兆円の内訳は、租税等が48.1兆円、社会保険料40.6兆円、その他(運用益等)13.6兆円だ。

 さらに、連結財務書類も作成・開示されている。連結財務書類は、一般会計と特別会計だけを合算した財務書類に加え、独立行政法人の財務諸表、特殊法人の行政コスト連結財務書類、および認可法人の行政コスト計算書類をも対象にして作成された。これによると、平成16年度の「業務費用」は146.3兆円、GDPの約3割に達する。

 その内訳は、年金・政管健保46.4兆円、補助金等26.7兆円、地方交付税交付金等19.3兆円、保険金等支払金14.0兆円、人件費10.9兆円、事務費9.4兆円、減価償却費6.9兆円、利払費6.4兆円、その他6.3兆円である。

 大きな政府、小さな政府の議論があるが、日本の政府はカネの出て行く先をみると、社会保障、補助金、地方交付税交付金の御三家、および人件費・事務費だということがよくわかる。財政改革のターゲットもそれらである。

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