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2006年10月 3日 (火)

国会や官庁街に”借金時計”設置を

 失業率は十数パーセント、経済成長はゼロに近い、毎年の財政赤字のGDPに対する比率は3%を何年も超えている、etc.ーーひどい経済状態が続いているドイツ。熊谷徹著『ドイツ病に学べ』(2006年8月刊)は、短い労働時間、高すぎる給料、強い労働組合、手厚い社会保障制度などと、それと裏腹になっている税金と労働コストの高さとが、ドイツ産業の国際競争力を低下させたと指摘している。

 日本ほど国・地方の借金残高は多くはないが、ドイツは経済成長できない慢性病にかかっているため、財政赤字が累積している。同書によると、2004年末で、連邦政府と州政府の公共債務は1兆4150億ユーロ(約210兆円)に達している。このままだと、国民1人あたりの公共債務が20年後には6.2倍の8万9600ユーロ(1345万円)に達するという悲観的な予測もあるそうだ。

 こうした公共債務の額を表す電光掲示板が「全ドイツ納税者連盟」ベルリン事務所の正面にある。その数字はものすごいスピードで増えているという。

 ところで、日本にも似たものがある。東京タワーの4階の「感どうする経済館」にある「日本経済の足音時計」だ。内閣府が昨年設けたもので、ここに表示されているのは日本のGDPの数字と日本(政府)の借金残高である。借金残高は700兆円台で、ドイツよりずっと大きい。本当は、地方自治体が抱える借金などを足すと1000兆円台に乗るはずだが、過小に表示する粉飾?を施しているのだ。(ネットには政府とは関係がない「リアルタイム財政赤字カウンタ」などがある。)

 ドイツでは納税者が財政赤字の増大に危機感を覚えて電光掲示板を設置し、街を通る人々に”大変だ”と訴えている。納税者が政府を監視し、税金を適正に使い、増税をしないようにと要求するのは至極当然だ。ところが、日本では、政府が東京タワーに来た国民に財政危機を訴えている。巨額の財政赤字を招いた張本人である政府が自分の責任を棚に上げて、納税者に”大変だ”と訴えているのである。

 これはどこか変だ。日本では、肝心の納税者である国民は、財政危機に対して何のアクション(行動)も起こしていない。政府が、ドイツのように納税者が立ち上がるのを期待しているとは考えられない。おそらくは、お上(政府)に税金をとられるとしか思わない日本人の特質を踏まえて、近い将来、増税もやむなしと思わせるほうに誘導する高等戦術を展開しているのだろう。

 安倍内閣の所信表明演説を受けて、国会では、消費税をめぐる質疑が盛んだ。しかし、財政再建にどう取り組むか具体的な構想、手順を与野党が示し合う建設的な論議はさっぱりみられない。もっと真剣に財政改革に取り組んでもらうために、衆議院および参議院の玄関前に「足音時計」つまり”借金時計”を設置することを提案する。縦割り行政を改めず、予算を沢山欲しがる霞が関の官庁街にも設置するよう内閣府に要求したい。本来は、財政改革推進国民連合のような民間組織があれば、そこが”借金時計”を設置して回るのがいいのだが‥。

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