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2006年11月12日 (日)

会計検査院の報告から見える官僚のひどさ

 会計検査院が国の05年度決算検査報告を11月10日に発表した。全文に目を通したわけではないが、国のカネの使い方に相当、問題があることは歴然としている。これに先立って、10月に発表された、社会保障支出の現状に関する会計検査の結果や、特別会計の状況に関する会計監査の結果などの発表も、同様に、カネの使い方に相当、問題があることを示している。公務員(といっても全員ではないが)の意識そのものに問題があるように思われる。

 06年度決算の検査報告によれば、指摘された473件の指摘金額は453億円に達する。不当事項のうち、支出に関するものが384件、105億円。不当事項というのは不正行為、予算管理、補助金等に関わるもので、厚生労働省だけで26件に達する。国民の納める税金等をいい加減に使ったり、懐に入れたりする役人が多いのは許せない。

 国の特別会計は所管官庁の長が歳入も歳出も決める。しかも独自に公債を発行したり、借り入れしたりすることができる特別会計がたくさんあるなど、国会のチェックがほとんどない。それに加え、透明性に欠ける。したがって、国民には財源、歳出などの実態がまるでわからないようになっている。

 会計検査院報告によると、04年度の特別会計(合計)の繰越額は11.8兆円、不用額は10.5兆円もある。また、決算剰余金は43.4兆円に達する(06年度一般会計予算の規模の2分の1余にあたる)。これは歳入419.3兆円の10.4%にもなる。しかも、この決算剰余金は国債の償還などに充てるのではなく、特別会計の次年度歳入に繰り入れたり、積立金等に積み立てたりしている。一般会計への繰り入れはわずか1.4兆円にとどまる。

 個々の官庁が管理する特別会計にいったん入ったカネは、例え余ったとしても、一般会計などにはほとんど繰り入れず、特別会計の中の積立金などで所管官庁が握っている実態が明白である。役所は権限でもカネでも一旦握ったら絶対に離そうとしない習性を映している。いま、道路特定財源を国土交通省が必死に守ろうとしているのも、同じことだ。

 会計検査院によれば、31ある特別会計のほとんどが昭和40年代までに設置されたもので、30年以上たっている。賞味期限はとっくに切れている。だが、官僚の既得権益擁護の姿勢は強く、制度を一度つくったら、なかなか変わらないことがよく表れている。

 特別会計の会計検査報告書によると、一般会計と特別会計とを合計し、重複を差し引いた純計ベースの国全体の04年度財政規模は歳入が279兆円、歳出が233兆円になる。そのうち、特別会計の収納済み歳入額は193兆円(歳入の69.2%にあたる)、支出済み歳出額は197兆円(歳出の84.5%にあたる)に達する。特別会計はモンスターになっているのだ。それなのに、国民には特別会計の実態は隠されている。報告書で会計検査院が改革を求めているのは当然のことである。

 会計検査院は正確性、合規性、経済性・効率性、有効性、契約の競争性・透明性といった点に重点を置いて会計検査を実施するという。会計検査院も政府の一員なので、同じ役所仲間に甘い面がないわけではないが、国民がなかなか知りえない税金の使い方の問題点を追及してくれる。財政再建のためにも、会計検査院に期待するところ大だ。

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