« 「天下り」のひどさに唖然 | トップページ | “豪華な官舎”で考えたこと »

2006年12月20日 (水)

気候変動に関するスターン報告

 英国政府の依頼でニコラス・スターン博士らがことし10月にまとめた「STERN REVIEW:The Economics of Climate Change」は、世界が、人類が、確固たる地球温暖化対策に早期に取り組む必要があることを求めた。

 このまま二酸化炭素など温室効果ガスの排出を続けたら、2035年には大気圏内の温室効果ガスの濃度は産業革命以前の2倍となり、世界の平均気温は2度以上上がると予想される。長期的には、5度以上上がる可能性が50%強に達する。スターン報告はそう言っているが、気温が5度以上も上がったら、人類は破滅に近い状態に陥るだろう。

 報告によると、温室効果ガスの濃度は二酸化炭素換算で現在430ppm。毎年2ppm強増えている。これを450~550ppmにとどめるなら、気候変動による最悪の影響はかなり減らせるという。そのためには、現在の排出量を少なくとも25%、おそらくはそれ以上減らす必要があるとしている。

 いますぐにそうした強力な排出削減策を講じれば、そのコストは世界の毎年のGDPの1%程度ですむ。さもなければ、気候変動によるリスクとコストの総額は現在および将来の世界GDPの少なくとも5%にあたる。より広範囲のリスクや影響を含めれば、GDPの20%もしくはそれ以上の損失をこうむる可能性があるという。〔「20%以上」というのが最大何%なのか。2つの大戦および20世紀前半の世界恐慌に匹敵するとしか、言及していない〕

 これから10~20年間の排出削減への取り組みいかんが今世紀および来世紀の気候を大きく左右する。ひとたび深刻な気候変動が始まったら、それをとめることは非常に困難もしくは不可能である。

 したがって、報告が指摘するように、国際社会は、長期目標に向けての共通のビジョンと、今後10年間の対応策を促すための枠組みとに対する合意を形成しなければならない。

 現在の世界は経済の発展、豊かな生活、大量の資源エネルギー消費を当然視している。しかし、地球温暖化による気候変動の影響はあちこちに現れてきている。そうした中で、スターン報告を素直に読めば、資源エネルギーを大量に消費する国々(先進国や経済発展のめざましい途上国)は経済や暮らしのありようを大きく転換しなければいけない。

 日本でも、もっとスターン報告を真剣に受け止める必要があるが、どうしたことか、その気配がない。依然、京都議定書の6%削減義務を達成することにしか目が行っていない。

|

« 「天下り」のひどさに唖然 | トップページ | “豪華な官舎”で考えたこと »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 気候変動に関するスターン報告:

« 「天下り」のひどさに唖然 | トップページ | “豪華な官舎”で考えたこと »