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2007年1月20日 (土)

経済財政諮問会議の「進路と戦略」

 政府の経済財政諮問会議が1月18日、新中期方針「日本経済の進路と戦略」(仮称)を答申としてまとめた。新たな戦略のもとで、改革への取り組みを加速・深化する必要があるとして、2007年度~11年度の5ヵ年間を対象につくったもの。2001年にまとめた「改革と展望」にとって代わるものという。

 通読してみると、現状に対して相当に危機感を抱いている個所があった。「官主導の経済社会システムから脱却し、自由と規律に支えられた経済社会システムへと移行することが不可欠である。制度疲労や現実とのミスマッチがありながら温存されてきた経済社会システムの下で、日本経済の潜在力は十分に活かされていない。しかしながら、必要となる諸改革はこれまで以上に強固な岩盤にぶつかり困難さを増している。グローバル競争の激化や人口減少を考慮すれば、我が国が持続的な成長のシステムを構築するラストチャンスとも考えられる。」と。

 一方、財政改革については、「財政の現状は、将来世代へ負担を先送りする構造となっており、このような状況を放置すれば、企業部門の資本蓄積にマイナスの影響を与え、中長期的な成長に悪影響を及ぼすことになる。」と認識している。

 そのため、「確実に財政健全化を進めていく必要がある。」「2010年代半ばにかけては、基礎的財政収支の黒字化を達成した後も、国、地方を通じ収支改善努力を継続し、一定の黒字幅を確保する。その際、安定的な経済成長を維持しつつ、債務残高GDP比の発散を止め、安定的に引き下げることを確保する。」という。

 「歳出・歳入一体改革が実効性を持つよう、各年度の予算が目標の確実な達成と整合的であるかどうかを確認しながら、予算を編成する仕組みが必要である」。そこで、諮問会議がその定期的な点検にあたるとして、具体的な取り組み内容を挙げている。

 また、国の予算編成の原則1~5を列記している。①景気を支えるために、政府が需要を積み増す政策はとらない、②税の自然増収は安易な歳出等に振り向けず、将来の国民負担の軽減に向ける、等々。

 税制改革については、「歳出削減を徹底して実施した上で、それでも対応しきれない社会保障や少子化などに伴う負担増に対する財源を確保し、将来世代への負担の先送りを行わないようにする。」と増税を匂わせている。

 こうした財政再建に対する取り組みにはおおむね賛成する。不満なのは、歳出項目を一つひとつ、ゼロベースで見直すほどの徹底した歳出削減を行う姿勢が答申に見当たらない点だ。いまの政府・与党は、官僚を使って「官主導の経済社会システム」を壊そうという無理なことをやっているのだから、仕方がないかもしれないが‥‥。 

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