« 財政再建に向けて一歩前進した年 | トップページ | “痛みなくして利得なし” »

2007年1月 4日 (木)

安倍首相の年頭会見

 仕事始めのきょう、安倍首相の年頭記者会見が行われた。終わってから、さて首相の話のポイントは何だったのか、と考えても、これだ、というものが浮かんでこない。持論の憲法改正のほか教育再生、社会保障などいくつかについて語ったが、いずれも抽象的。「見出し」とか「キャッチフレーズ」になるような、国民の心に訴えるものがなかった。

 「経済について申し上げます」とは言ったものの、ほんの短い間で、内容も記憶に残るものではなかった。消費税に関する記者の質問に対しても、真正面から答えてはいなかった。審議会などでの審議も自らの意思決定にとって必要なステップだろうが、自分はこの問題については目下、こう考えているということをできるだけ明確に国民に伝えることが民主政治のよきリーダーではなかろうか。

 昨年末、電車の中で小耳にはさんだ若い女性の話が印象に残った。外資が日本に進出するときの足がかりとなるオフィスを運営する会社に非正規社員で勤めていたとき、「お茶を出したりするのが仕事だった。しかし、ああいう仕事は全く頭を使わない。時給はよかったけど、そういうのは耐えられないので辞めた。以前、ある化粧品会社で包装の仕事をしていたときのほうが、まだ頭を使う仕事だった。私は頭を使う仕事がしたい。でも、見つからない」と。

 日本は知識集約化、知識産業などなど、“アタマが汗をかく”ようにならなければならないと言われる。しかし、商店街を歩くと、二、三十歳台の人たちが、至って単純な作業の仕事にたくさん従事しているのに気が付こう。スーパー、コンビニのレジ、ゲームセンターの呼び込み、街頭でのチラシやティッシュペーパー配り、大衆食堂・レストランの配膳係等々。

 こうした仕事は長年続けることで差別化ができる熟練労働とは違う。全くのしろうとでもすぐできる単純労働である。彼らの仕事は六十歳台の高齢者で十分勤まる。現代の経済は、若い世代の貴重な能力、意欲をいたずらに空費していると言っても過言ではない。

 そうした現実のひずみ(身の回りをみつめれば、沢山あるのに、ほとんど放置されたまま)を政治家は実感し、それをどう改革するかのビジョン(展望)を適時適確に打ち出し、ステークホルダー(関係者)を巻き込んで、実現にまい進するーーそうした活き活きとした政治活動であれば、国民は喜んで支持するだろう。地方自治体のすぐれた首長はそうした行動で住民の支持をかちえている。安倍首相にもそうしたリーダーシップが欲しい。 

|

« 財政再建に向けて一歩前進した年 | トップページ | “痛みなくして利得なし” »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/13329549

この記事へのトラックバック一覧です: 安倍首相の年頭会見:

« 財政再建に向けて一歩前進した年 | トップページ | “痛みなくして利得なし” »