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2007年1月30日 (火)

日経新聞の世論調査

 1月30日付け日本経済新聞朝刊によると、同紙が26~28日に実施した世論調査で、今国会で議論が深まることを期待するテーマとして、「財政再建」が首位だった。次が「教育再生」、三番目が「厚生年金と共済年金の一元化」だという。

 昨年あたりから、政府・与党が予算編成などの際に財政再建への取り組みを口にするようになった。それにつれて、新聞などのメディアも財政再建に関わるさまざまな動きを報道するようになった。そうした動向が世論調査の結果に反映したのだろうか。とにかく歓迎すべきことである。

 平成19年度国家予算の国債発行減額などに示されるように、政府は財政再建に向けた歩みを進めている。1月29日の経済財政諮問会議においても、大田弘子経済財政担当大臣はことし「取り組みを強化すべき課題」として、「成長戦略と並ぶ車の両輪として財政再建を進め、2010年代半ばに向け、債務残高の対GDP比率を安定的に引き下げることを目指し、まずは2011年度には国・地方を合わせた基礎的財政収支を確実に黒字化させることが必要である。」と述べ、今後5年間の歳出改革の工程をとりまとめることで了解を得た。内閣への支持率いかんにかかわらず、財政再建の方針はぶれないでほしい。

 ところで、日本銀行の早川英男調査統計局長は1月29日の講演で「財政のフローは急改善した。過去に too pesimistic な議論がされていた。名目成長率が少し上がり、税率も少し上がった。それで随分、財政バランスが改善した。財政について短期的には楽観論だ。しかし、ストックの赤字は大きいので、長期的には楽観してはいけない」と述べた。「これから高齢化の影響が出てくる」として、社会保障制度改革が一番大事だと指摘した。

 一方、土居丈朗慶応大学助教授は「週刊 東洋経済」1月27日号で「自然増収頼みの財政再建は道険し」と書いている。経済成長の果実である税の自然増収は毎年度1兆円~2兆円程度だろうという。19年度予算も自然増収は約1.5兆円だけだと述べている。19年度予算は「公共事業費を除けば、大胆に歳出削減に取り組んだといえるものではない」。そんな程度では今年末の20年度予算編成において、財政健全化のスタンスを維持するのが難しくなるおそれがあるとすら言い切る。土居氏によれば、「さらなる歳出削減や増税を決断すべき時が近づいている」。

 財政再建は容易ならぬものだ。今年の財政改革の動向は波乱含みのような気がする。

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