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2007年2月 2日 (金)

東京都の07年度予算案

 東京都が07年度(平成19年度)予算案をまとめた。「財政の健全化に取り組んできた8年間の、まさに集大成となる予算」(石原慎太郎知事)だという。

 一般会計の歳入・歳出は06年度当初予算比7.0%増の6兆6020億円。歳入では、都税がなんと17.8%増の5兆3030億円。税源移譲に伴う増収2974億円を除いても、11.2%増と2ケタの伸びだ。増収の主なものは法人二税と個人都民税(区市町村が徴収)で、景気の回復が税収に如実に表れている。都債は21.4%減の2799億円。

 歳出のほうは公債費や特別区財政調整会計繰出金などを除く一般歳出が前年度当初比3.7%増の4兆3366億円。福祉保健費21.7%増、都市整備費5.4%増、土木費2.9%増など、いずれも予算増で、公債費は25.9%増の6281億円である。

 一方、特別会計(17会計)は4兆4020億円で、前年度当初比2.0%増、公営企業会計(11会計)は2兆679億円で同6.5%増である。

 06年度補正予算が一般会計で4649億円、特別会計で3842億円、公営企業会計で58億円プラスされている。06年度補正後に比べれば、一般会計、特別会計とも07年度はマイナスの格好だ。07年度も補正予算を組む前提で当初予算がまとめられている。

 07年度中に減債基金積み立て不足を解消し、“隠れ借金”はなくなるという。また、スポーツ・文化振興交流基金など3つの基金を新設し、基金残高を2639億円増やす。こうした財政基盤の強化は、職員定数削減などの経営改善努力による面もあるが、大きな要因は税収増である。都は一般歳出を全面的に見直して、ぎりぎり切り込むというところまで厳しい財政運営はしてこないですんだと言えよう。

 しかし、一般会計はさておき、特別会計や公営企業会計に累積損失や含み損失がないのか、都の予算案を読んでもわからない。一般会計でも、過密都市、東京の大震災への備えがほとんどない。住宅、街づくり、道路・交通などを考えると、特別区もだが、おそろしいほどお粗末である。オリンピックよりも、なすべき大きな課題が残っているのである。

 都の借金(一般会計)は07年度末に6兆7634億円の見込み。国(一般会計547兆円)や地方財政計画(199兆円)に比べれば、財政状況ははるかによい。だから、国や他の自治体からは「こっちに税収を多く配分する仕組みに改めるべきだ」という声が出てくる。国と地方の財政配分、地方間での財政配分など、見直すべき点は多々ある。しかし、都の相対的な財政優位は、多分に都民の住生活や安全・安心などを犠牲にして成立しているように思われる。

 ついでに言うと、07年度の都の一般歳出のうち、給与関係費は4割弱の1兆7059億円を占める。退職手当だけで24.9%増の2072億円になる。これを除いた分だと0.6%減になるが、いわゆる人件費が重すぎることには変わりがない。人減らしによる都の行政簡素化は今後も必要不可欠である。 

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