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2007年2月14日 (水)

時間外労働と賃金割増率を云々する前に考えるべきこと

 「家庭のだんらん」考と題して2月10日に書いた。その後、労働問題にくわしい人たちの話を聞いて、時間外労働に関する大事な視点を教わった。

 現在の労働基準法は、第32条で、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない」、「1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない」と規定している。

 法の冒頭の第1条において「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすものでなければならない」とはっきり言っているのを踏まえると、第32条の労働時間の規定に反して労働者に残業させるのは違法だと理解しておかしくない。

 ところが、第36条には、使用者が労働者の過半数を代表する者と書面で協定し、行政官庁に届けた場合には、労働時間の延長や休日労働をさせることができる、ということになっている。いわゆる三六(サブロク)協定は週40時間、1日8時間という第32条の規制を形骸化して、野放図に時間外労働・休日労働を認めているのである。

 もともと日本でもヨーロッパの規制の考え方を受けて、1日8時間以下という1日単位の労働時間規制だけだった。それが1988年の法改正で週40時間以下という規制が加わったため、労働基準監督行政は1日8時間以下という規制を問題にしなくなったという。いま割り増し率引き上げの法改正の議論で、月80時間超だと50%増し、などという3段階の改正案が出ているのも、そうした88年法改正以後の発想を引きずっているからだという。

 ヨーロッパでは、1日単位の規制であり、1日の労働は10時間超は絶対だめだというやりかただが、日本だと、ある日に何時間も残業しても、問題にされない。また、我が国では深夜まで働き、翌日朝、普段通り出勤することが珍しくない。しかし、ヨーロッパだと、休息時間の概念があり、次の勤務との間に少なくとも11時間の休息が絶対に必要だという。

 時間外労働には割り増しをつける。ヨーロッパではペナルティ(罰金ないし反則金)というとらえかたである。それが日本では慰謝料といういうことになる。

 どっちの考え方がいまの日本にふさわしいか。経済的・物質的な豊かさのひずみがあちこちに表れて国の将来が危ぶまれている今日、ワーク・ライフ・バランスを家庭のだんらん重視に変えるべきではないかと考える。春闘が本番入りしたが、賃上げと並行して、三六協定を根本から再検討することを望む。 

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