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2007年2月12日 (月)

科学技術予算バブル

 2月12日付け日本経済新聞に「危ういぞ 科学技術立国」②が載っている。それによると、政府が財政支出を軒並み抑制している中で、科学技術予算は例外扱いされ、年間3兆5千億円の水準を維持している。「しかし使い道に目を移すとムダ遣い指摘される公共事業にも似たバラマキの実態が浮かぶ」と指摘している。

 科学技術予算バブルとでも評したらいいか。私も、大学の理工系の教授らから、科学技術研究予算に問題があると聞いたことがある。第一に、使い切れないほど予算をもらい、ムダ遣いしているような事例があること。過去に大きな業績をあげた研究者に、そういう例があるようだ。第二に、短い期間で研究開発の成果を出さなければならないので、成果の見通しがつきやすいテーマに資金が配分されること。第三に、やたら装置などにカネのかかる研究開発に資金が出ること。

 研究開発のテーマの審査にあたるのはいわゆる大家だ。しかし、彼らも、まだ存在していない未来の画期的な技術が誰の、どんな研究開発から生み出されるかは予測できない。それにもかかわらず、予算を配分しなければならないとなると、審査員も、その背後にいる政府の担当者も、安全パイを振りたがる。いまよりも大掛かりな装置にしたら、成果があがるだろうとか、実績のあるあの先生なら、成果が期待できるだろうとか。

 しかし、そうしたロー・リスクの姿勢は結局はロー・リターンしか生まないのではないか。科学技術立国たらんとするなら、ハイ・リターンをもめざすべきだと思う。それには、まだ、際立った業績のない若い研究者が挑戦する画期的な研究開発テーマにも資金を優先的に配分するようにすべきだ。カネ食い虫の装置偏重型テーマはほどほどにして、文科系の学問分野にも広く投網をかけるような資金配分に切り替えることも検討すべきだろう。

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