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2007年3月19日 (月)

“天下り”規制など公務員制度改革のゆくえ

 “天下り”のひどい事例を取り上げたことがある(06年12月16日、07年1月24日)。中央官庁の天下りは、各省庁の官房秘書課が早期退職者のための天下り先を探し、受け入れ先と条件を交渉する。条件の1つは給与で、役所にいたときより多いこと。次に、個室を持ち、秘書がいること。そしてクルマがつくこと、交際費があること。

 最近はそれほど露骨ではないが、かつては、これら4つの条件を厳しく要求した。それに泣いた企業などが実に多かった。もちろん、建設会社などのように、公共工事の官製談合などで十分、もとをとった企業もあっただろう。

 天下ったあと、企業などで猛烈に交際費をつかって、ひんしゅくをかった人も少なくない。また、天下りを受け入れないと○○の許可を与えない、と明確に言明していた官庁もあった。実態は、無理矢理、天下り受け入れを強要したのにもかかわらず、受け入れ先から役所宛てに人材の「割愛願い」文書を出させている。押し付けではない、民間からお願いをされたから、役所OBを民間に出すのだ、という陰湿きわまりない言い訳づくりである。

 天下りに対する世間の目がきびしくなったあと、財務省(旧大蔵省)と経済産業省(旧通商産業省)とが天下り先を交換する(退職してすぐは本格的な天下りができないので、その間、銀行、保険会社に経産省のOBが天下りし、事業会社に財務省のOBが天下りする、といった例がある)など、何が何でも天下り先確保に奔走している。その背景にあるのは国の予算であり、権限である。

 いま、安倍首相が方針を打ち出し、渡辺行革担当大臣が推進しようとしている公務員制度改革は、最も改革が遅れている官僚制にメスを入れようというものだ。いまどき、年功序列を墨守しているのは官僚社会ぐらいなものである。

 年功序列を維持し続けようとすれば、早くから退職させられる同期の者の再就職先を保障してやらねばならない。つまり発注や補助金などと法的な権限とをバックに、天下りを維持しなければならないことになる。となると、天下り先に特命発注するとか、天下り先確保のねらいもあって独立行政法人や公益法人などを認め、補助金などを出すというようなことも起こる。

 したがって、年功序列をやめ、能力・業績に基づく人事制度に改める、早期退職をさせないで定年まで雇用する、各省による天下りあっせんをやめて、省庁全体で新・人材バンクを創設する、各省の幹部ポストの一部を各省横断ないし官民公募で採用する、といった公務員制度改革の提案はもっともである。

 渡辺行革担当大臣は「安倍首相は、小泉内閣時代にやろうとしてできなかった公務員制度改革を実現しようとしている。私は総理から与えられたミッション(使命)を着々と実施しようとしているだけ」と述べている。現実には、官僚は言うまでもなく、官僚OBの閣僚などにも公務員制度改革反対者がいて、安倍首相が断固たる姿勢で臨まない限り、改革の実現は容易ではない。

 ここで、安倍首相が腰砕けになったら、内閣の支持率低下にさらに拍車をかけよう。だが、ここで、“守旧派”とたたかう姿勢をみせれば、安倍内閣の支持率は反転して上昇するだろう。渡辺大臣のキャラクターは公務員制度改革にはぴったりのような気がする。彼にとって飛躍のチャンスだが、それを生かせるか、も見所である。 

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