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2007年3月23日 (金)

9千億ドルを超えた外貨準備高

 2月末の外貨準備高は9050億ドルに達した。3月23日の朝日新聞朝刊コラム「経済気象台」は「国としても外為会計の保有資産の運用効率を上げることは重要な課題」と指摘している。

 約10年前の1996年末は2178億ドルだった。それが1999年以降、増え始めた。1999年末2881億ドル、2000年末3616億ドル、2001年末4020億ドル、2002年末4697億ドル、2003年末6735億ドル、2004年末8445億ドルと、うなぎのぼりに増加した。2004年1~3月に14兆8300億円にのぼる米ドル買い・円売りを行ったあと、為替介入はずっとゼロ。したがって、その後の利息収入などで9000億ドル台に乗ったというわけだ。

 データがすぐ入手できる1991年以降の外国為替介入実績をみると、円売りがほとんど。それももっぱら米ドル買い・円売りで、まれにユーロ買い・円売りがある程度。逆の米ドル売り・円買いは1991年5月~1992年8月と1997年12月、1998年4月および6月だけ。珍しいのは、1991年8月の米ドル売り・独マルク買いと1997年11月の米ドル売り・インドネシアルピア買いである。

 こうした米ドル買い一辺倒の為替介入と結果としてのドル資産増大は、日本が輸出立国であり、不況脱出には円安が望ましいと判断したこと、円の国際化が全く進んでいないこと、米国との経済関係を重視していることなどの要因があると思われる。しかし、それにしても、米ドル偏重は明らかにおかしい。

 過去、ドルの減価で日本政府は保有外貨資産の大幅な目減り(損失)をこおむった。今後も米ドルの価値は長期的にみて下落していくことは必至である。それゆえ、リスク回避のため、分散投資をすべきだろう。金(ゴールド)保有を増やすのは無理だとしても、ユーロなど他の国際通貨の保有割合を高める必要がある。

 問題は、なぜ米ドル一辺倒(それも米国国債が多いといわれる)の資産構成にしているのか、について、国民にきちんと説明していないことである。また、いまの超低金利と円安は企業サイドを優先する発想だが、消費サイドを重視する経済政策と比べて、より国民の利益になっているのか、の十分な説明もない。マクロ経済政策について、国民の理解可能な論争を期待したい。

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