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2007年6月10日 (日)

年金相談で社保庁職員は時間外手当をもらうの?

 年金の記録がデタラメで、国民は不安と怒りで一杯。社会保険庁の年金相談窓口には確認のためにたくさんの加入者が殺到している。与党である自民党も、あまりのひどさに驚き、かつ怒っている。参議院選挙が近いため、どうやって国民の怒りを静めるかで困り果てているのではないか。

 サミットで点数を稼ぎ、意気揚々と帰国したかった安倍首相に対するメディアの視線はひややか。安倍首相はあわてふためいて拙速な対応をするのではなく、十分、問題点を把握して、本質的な解決策をパッケージとして打ち出すのがいい。

 ところで、この年金問題に関連して感じたり、考えたりしたことを以下に。

・ 全国の社会保険事務所で、土日曜や夜間も年金相談に応じているけれど、政府は時間外労働賃金を払うのではないでしょうね。職員は民間よりも高い給与をもらい、しかも、いい加減な仕事のやりかただったのだから、時間外手当を返上するぐらいは当たり前でしょうが。まじめにきちんと仕事していたら、国民を不安に陥れることもなかったし、時間外手当だとかも必要なかったはず。でたらめな仕事をしたほうがあとでやりなおすために収入が増えるというのは、とんでもないことだ。それどころか、過去の給与の何割かを返上してもらいたい。最低限、管理職だった人たちにはそれを要求したい。言われなくても自主的に返上する人が出てくれば、まだ救いがある組織と言える。

・ いま、年金加入者は不安と怒りで一杯だと書いたが、それは、もっぱら国民年金と厚生年金の加入者の話らしい。公務員の共済年金や私学共済は関係なさそうだ。厚生年金と共済年金の完全統合に反対したり、天下りを制限する法案などに強く反対したり、政府の役人は、自分の利害に関わることだと必死になる。年金でも、役人は共済年金という別制度で、積立金も別に運用している。記録も全部残っているという。だから、自分たち役人の年金とは関係ないサラリーマンや自営業者など民間人の年金制度の運営では、完璧を期すという心構えが乏しかったのではないか。民間人の年金保険料の積立金を厚生労働省(旧厚生省)や社保庁がさまざまな形で流用することに何の疑念も持たなかったのも、社会保険制度を彼らの天下りを受け入れるか否かで認可したりしなかったりしたのも、同様。官尊民卑の発想が底流にあることは間違いない。

・ 過去に、これほど行政がデタラメだったことを天下にさらけだしたのは例がない。日本では、国民の政府に対する信頼がきわめて厚い。政府が何とかしてくれると信じ込んでいる人が多数だ。かくいう私も、政府を改革する必要があると主張しながらも、まだ政府をある程度、信頼している。そうした国民の政府に対する見方や意識がこれでかなり変わると思う。政府に乗っかった与党の政治運営も変わらなければ、国民に見放されるだろう。小泉前首相が言っていた抵抗勢力の核心は官僚であり、それと結び付いた政治家たちである。

・ 年金、介護、医療という社会保障の柱はすべて現在、大きな問題点をさらけだしているが、それらは皆、厚生労働省(旧厚生省)・社会保険庁の所管である。そこにも、何か問題を引き起こす構造的な欠陥があると言わざるをえない。その分析は専門家に待つしかないが、私の体験からすると、マーケット(市場)的な発想がないことが最大の問題点である。彼らは、すべて政府が決め、国民はそれに従うのが一番いいという発想にこりかたまっているのである。戦前の内務省的なカルチャーを最も受け継いでいるのだ。 

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