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2007年6月18日 (月)

97歳の現役取締役、留任へ

 住友不動産の安藤太郎さん(97歳)が6月末の株主総会で、これまでの代表取締役相談役のポストから、代表権をとった取締役相談役になるという。同社は、東京証券取引所一部上場会社である。その株主たちが安藤さんをさらに今後2年間、取締役にするというのなら、外部の者がああこう言っても仕方がないかもしれない。それでも、なお、それはひどいと言いたい。

 安藤さんは住友銀行の役員時代、同社の東京駐在が長く、政治担当だった。彼に何度か会ったが、それは1960年代から1970年代のこと。住銀の副頭取や住友不動産の社長の時代である。その頃、彼が「昔、旧制高校の入学試験に落ちたことがあり、浪人時代、憂鬱で、毎朝起きるのがつらかった。その当時のことをいまだに夢に見る」などと言っていたことを覚えている。銀行の副頭取時代、飛ぶ鳥を落とす勢いだったあんたろう(愛称)さんにも、そんな一面があるのかと親しみを感じたりしたこともある。でも、もう、そんなことはあんたろうさんも忘れているだろう。

 コーポレート・ガバナンスなどと難しい用語を使わずとも、会社は誰のものか、考えれば、会社の経営を預かる取締役や執行役員は知力、気力、体力、良識などを備えているのが前提となる。グローバルな経済社会の変化に対応できる経営者は高齢ではつとまらない。安藤さんの取締役留任を提案した現経営陣は、猫の首に鈴を付けられないだけのことかもしれないが、いまどき、まだ、そんな会社が上場していることが信じられない。

 安藤さんは極端に目立つひどい例だが、80歳前後の経営者が現役社長だったりする例もある。業績がよければ構わないという見方もあろうが、高齢の経営トップと、ナンバー2以下との年齢差が開き過ぎているのは、独裁的経営を招きやすい。結果的に企業経営がおかしくなることは過去に枚挙のいとまがないほどだ。

 社外取締役がいても、彼らが80歳前後という一流企業が結構、目に付く。しかし、過去に経営者として立派な業績を挙げた人だって、高齢になり、しかも自分の勝手知ったる分野ではない会社の社外取締役になって、本当に、社外取締役としての責任を果たせるのだろうか。また、そういう人はいくつもの会社に顔を連ねていることが多い。超有名な世界一のメーカーの元社長も、82歳であちこちの取締役をしている。あんたろうさんほどではないが、彼らも自分にブレーキがない点で同類である。 

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