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2007年6月25日 (月)

地方のバス路線確保は大事なこと

 愛知県のある中小都市を訪れたら、駅からのバス路線が廃止されていた。この市では路線バスは皆無。よそから来た人はタクシーを利用するしかない。もっとも、近年は、市長の発案で、住民のため、昼間の時間帯だけ、タクシーを雇ってコミュニティ・カーとし、特定のコースを30分ごとに走るようにしているという。

 利用者が多くてタクシー1台で乗り切れないときは、応援のタクシーが来るようになっている。利用料金は区間によって違うが、100円、200円などとなっている。昼間だけとはいえ、マイカーがない住民にはありがたい存在である。

 土地の人に聞くと、どこの家もクルマを2台、3台と持っている。どこに行くにも、マイカーを使う。家族が通勤や通学で電車を利用するときは駅へ送り迎えしているという。マイカーが増える→バス利用者が減る→バス会社の経営が悪化し運行本数を減らす→バスが不便になりマイカー依存が増える→バス会社が撤退、というお定まりのてんまつだ。

 でも、世界に冠たる高齢化の進行、石油の値上がり・資源枯渇、二酸化炭素の排出による地球温暖化、等々を考えると、地方の極端なクルマ依存は持続可能ではない。地方に行けば、高齢者の比率が高い。彼らは家族のマイカー運転に頼らなければ、遠出は無理。買い物に行くことさえ容易ではない。石油が値上がりしたため、マイカー依存の暮らしは生活を圧迫している。それに、温室効果ガスの排出を大幅に削減するには、ハイブリッドカーもいいけど、クルマをできるだけ使わない社会システムに転換することが求められている。

 そのための大きな一歩として、地方都市にバスなど公共交通機関がひんぱんに走り、マイカーがうんと減るように社会システムを変えていく必要がある。それを実現するには、まずは自動車・石油にかけている税金(道路特定財源など)を地方公共交通機関の補助に充てるのがいい。地方交付税交付金の算定基準に入れるのがいいのかもしれない。それによって、安くて便利な路線バス、しかも環境にもやさしいといわれるようにしたいものである。

 私たちの社会や暮らしは20世紀の豊かさモデルにどっぷり浸かっている。でも、たくさんの資源・エネルギーを使うから、このモデルは間もなく破綻するだろう。過去の延長線上で何とかなるさ、と楽観したいけど、破綻リスクはあまりに大きい。したがって、いまの経済社会システムをご破算にしてゼロから新しいシステムをつくりあげるという発想で、21世紀の日本を変革していくことが今日の課題である。政府も政治家も、地方の首長も、危機に直面する21世紀の日本と世界のありかたを真剣に考えてほしい。

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