« ”骨太の方針”2007が閣議決定 | トップページ | 地方のバス路線確保は大事なこと »

2007年6月23日 (土)

新興企業の落とし穴

 日本電信電話公社が民営化してNTTになりたてのころ、同社のある支社で売り上げが急激に増えて社内で評判になったことがある。それは、ある番号に電話をかけると、受け手の女性とエッチな会話ができる、ということで、全国から電話が殺到したからである。その支社の社員たちは、公社と違い、民間の株式会社はとにかく、もうけること第一だと思ったのである。

 最近の企業スキャンダルを見ていると、急成長した企業およびその経営者の中には、利益をあげるためには、少々、ルール違反をしてもかまわないという風土や意識があることに気付く。介護事業のコムスンと、その親会社で、人材派遣業のグッドウイル、加工食品の加ト吉、中古本のブックオフ、英会話学校のNOVA‥‥、これらは、利益をあげるためには、顧客を食い物にしたり、業績をよくみせるために決算を粉飾したり、あるいは、創業者の経営トップが会社のカネを自分のポケットに入れたりしている。これらの会社に比べれば知名度はないが、食肉加工卸のミートホープも、コストを安くするため、牛肉コロッケなどに豚肉などを用いていたから同類である。

 社会から信用を得て、会社を永続させるには、上は社長から下は平の社員まで、誠実に顧客本位のビジネスに徹しなければならない。これは、言うはやすく行なうは難しで、経営が厳しい状況に追い込まれると、ついつい手抜きや不正などをしてしまうことがある。この悪魔のささやきに抗するには、よほどしっかりした社風、家訓、伝統などが会社の隅々まで浸透していることが必要だ。

 現代は株式・資本市場の経済や社会に対する影響力が強いため、人々は会社の売り上げや利益、そして成長に注目する。メディアの提供情報を通じて、人々は上記のような新興企業についても、主に株式・資本市場のモノサシでみている。それらの会社で仕事をしている人たちが日常、どのような働き方をしているのか、仕事に生き甲斐を感じているのか、彼らのワークライフバランスはどうか、などは数字の陰に隠れてみえないし、あまり関心も持たれない。

 しかし、CSR(企業の社会的責任)というフィルターをかけると、それらの企業が違ってみえるはずだ。株式・資本市場も、新興企業のみならず、公開企業すべてに対して、会計情報とともに、CSRに関する情報も公開させるように義務付けたらどうか。

 いま、多くの会社がCSRレポートを出しているが、その内容は残念ながら、真に人間の尊厳や社会の永続(サステナビリティ)を踏まえたビジネスをしているかを検証するものではない。

|

« ”骨太の方針”2007が閣議決定 | トップページ | 地方のバス路線確保は大事なこと »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/15525220

この記事へのトラックバック一覧です: 新興企業の落とし穴:

» 人材派遣会社のシステム [人材派遣総合情報センター]
新卒派遣と言う言葉をご存知でしょうか?実務経験のない、もしくは少ない学生や専門学校生の新卒者や第二新卒者を対象に人材派遣会社が、業務に必要なスキルや知識などを教育し、それから実際の派遣先に派遣される働き方です。 [続きを読む]

受信: 2007年6月26日 (火) 15時06分

« ”骨太の方針”2007が閣議決定 | トップページ | 地方のバス路線確保は大事なこと »