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2007年7月21日 (土)

「安全、安心」が時代のキーワードとは

 ものづくり安全が次代を「つくる」--明治大学の向殿政男理工学部長が20日のシンポジウム「変わる時代、変わらないものづくり」でそう語った。日本の製造業が21世紀に望まれる品質は安全性、信頼性、保全性だという。

 「安全を価値として認めて、安全であることを高く評価するという意識を持った個人と企業、それを支援する社会制度が存在する文化」と言い、個人は「安全は価値であるという認識と行動、安全に対して金を支払い、金を要求するのは常識」、企業のほうは「安全にすると儲かる(最低基準を守る下向きの安全競争から、より高い安全を実現することを誇りとする上向きの安全競争へ)」というのが今後の日本が生きる道と指摘した。

 いま選挙の争点になっている年金も、あるいは医療、介護も、そして新潟県中越沖地震も、有害物質を含む中国の食品も、安全、安心に関わる問題である。有機栽培の野菜など安全、安心なものは値段が高い。それだけ安全、安心にはコストがかかる。向殿理工学部長も、安全に対して金を支払うのは常識だと言っている。

 しかし、8日や11日のブログの内容の繰り返しになるが、いまの参議院選挙の公約のように政治の話となると、社会保障などの安全、安心はコストがただみたいな議論がまかり通っている。巨額の財政赤字が存在しないかのように、あれもやります、これもやりますと言い、そのための財源についてはほとんど触れない。触れたとしても、その根拠は薄弱だ。選挙民を馬鹿にしているとしか思えない。もっとも、選挙民の中には、自らの負担なしに国が打ち出の小槌を持っているかのように要求ばかりする人もいることは確かだ。

 話は変わるが、このシンポジウムで、現代のものづくりには、いかにソフトウエアの役割が大きいかを教えられた。私たちの目にみえるのはハードウエアだけだが、ハードを動かし、制御しているのはソフトである。そのソフトのミスがないように第三者検証をしている会社、ベリサーブの浅井清孝社長によると、最新の携帯端末に組み込まれているソフトは1200万ステップに達するという。このソフトを仮に400字詰め原稿用紙に書いて積み上げたとしたら、何と60メートルの高さになるそうだ。

 携帯端末のみならず、エレクトロニクス製品や自動車、機械などはソフトのかたまりである。それらが正しく機能するには、ソフトのチェックが必要だが、ステップ数のあまりの多さを知ると、完璧にミスをなくすことは至難の技だと思ってしまう。安全、安心には大変にコストがかかっているのである。

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