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2007年7月19日 (木)

柏崎刈羽原発全面停止の教訓

 新潟県中越沖地震で停電していた柏崎市などに電気がついたという報道。東京電力柏崎刈羽原子力発電所は停止したままなのに、どこから電気が?と疑問を抱いた人もいよう。実は、柏崎市、上越市、刈羽村、長岡市、新潟市などは東北電力の供給地域なのである。

 首都圏に電力を供給する東京電力は自らの供給地域内に原発をつくりたくても、受け入れてくれる地域がない。それで、東北電力の管内に立地せざるをえなかった。そうした立地難ゆえに、ひとたび立地できたとなると、そこにまとめて何基もの原発をつくる。柏崎刈羽原発には7基(総発電容量821.2万KW)もつくった。だから、ひとたび大地震などによる被害が例え部分的なものであったとしても、安全確認のためには発電所全体をとめざるをえないことがありうる。技術的に安全をとことん追究してきたとしても、潜在的に供給不安定というリスクを抱えているのである。

 原発は大量に冷却水を使用するから、日本ではすべて海に面したところに立地している。しかも、プレートの潜り込みがあるため、海辺は地震で大きな被害を受けやすい。大きな断層があれば、無論、危険だ。数十年のうちに起きると予測されている東海地震などの場合、中部電力浜岡原発に大きな被害が出るおそれがあるといわれる。また、外国が海のほうから原発を攻撃・破壊でもしたら、放射性物質で汚染され、広大な面積がいっさい人の住めないところになるかもしれない。

 東京電力の発電電力量は06年度に原発とLNG・LPG火力とがそれぞれ38%を占めた。電力10社では原発31%、石炭火力26%、LNG・LPG火力24%とやや構成が異なるものの、いずれも原発依存度は30%台と高い。LNG、石炭、石油といった化石燃料はほぼ100%輸入に依存している。しかも化石燃料は地球温暖化に直結している。それだけに、原発依存度を下げるか上げるか、日本は重要な選択を迫られている。

 私たちの経済社会は沢山のエネルギーを消費している。しかし、化石燃料の自給はゼロに近く、原発は放射性物質汚染のリスクがある。エネルギー供給の基盤はとてももろいと言わざるをえない。したがって、いまのところ微々たる再生可能エネルギーの利用を急速に増やす努力を国を挙げて行なう一方で、エネルギー消費をどんどん減らしていくことが大きな課題である。

 いつでもいくらでも電気が使える利便性にどっぷり浸かっている私たちのライフスタイルを改めるのに一番効果的なのは、おそらく、電気の供給が不足し、停電を何度も体験することだろう。個人的には、第二次大戦後に経験したことだが‥‥。あるいは、国を挙げて省エネ・環境教育の社会運動を展開するか、電気代が眼の玉が飛び出るほど高くなるように高額のエネルギー税を課すか。何もしないではすまされない時期は近いような気がする。 

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