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2007年7月25日 (水)

地方制度調査会が始まった

 政府の第29次地方制度調査会が7月3日に第1回の会合を開いた。安倍総理大臣の諮問の内容は「市町村合併を含め、基礎自治体の在り方、監査機能の充実・強化等の最近の社会経済情勢の変化に対応した地方行財政制度の在り方について、地方自治の一層の推進を図る観点から調査審議を求めます」というもの。

 その席上、安倍首相は以下のように言った。「私は、我が国の戦後の基本的な枠組みを大胆に見直すことが必要であり、国と地方の関係も新しい時代に対応できるよう変えていかなければならないと考えております。
 地方の活力なくして国の活力はありません。やる気のある地方がさまざまな行政分野で自由に独自の施策を展開し、魅力ある地域づくりに積極的に取り組めるようにしていくことが極めて重要であります。このため、私の内閣の最重要課題として、地方分権改革を推進しております。
 国が地方のやるべきことを考え押し付けるというようなことは、もはややめるべきであると考えております。4月には、今までの国と地方の関係を大胆に見直すため、昨年成立した地方分権改革推進法に基づき、地方分権改革推進委員会を設置いたしました。新分権一括法案の3年以内の国会提出に向け、熱心に御議論をいただいているところでございます。
 この地方制度調査会においては、真の地方分権に対応できる地方自治体を確立し、中核的な基礎自治体が地域づくりの主役となれるよう体制を整えるため、市町村合併を含めた基礎自治体の在り方、監査機能の充実・強化等を始めとする地方行財政制度の在り方について十分な御審議をいただき、具体的な改革の成果につなげていただきたいと考えております。このような取組みを着実に行うことによって、将来の道州制も視野に入ってくると、このように考えているわけであります」。

 首相のスタッフである官僚が書いたものを読み上げただけかもしれないが、改革の問題意識には賛成する。「戦後の基本的な枠組みを大胆に見直す」大きな柱になるのが地方分権、ないし地方政府の確立である。

 ところで、最近の全国知事会の活動は革新派知事が活躍した時代と比べ、沈滞気味にみえる。“ふるさと納税”1つとっても、知事会の内部は割れている。過疎地域を抱える地方の知事の中には、国への財政依存体質を克服する自立に必死になるのではなく、ただただカネ欲しさで“ふるさと納税”実現に目の色を変えている人がいる。最近、話題の格差問題はそれをもっともなように感じさせる。

 しかし、一般財源に地方交付税交付金を加えたものが各都道府県が自由に使える財源であり、各都道府県のそれを住民1人あたりで計算したものが、都道府県間格差を把握する重要なものさしである。それで計算すると、島根県や鳥取県などが多い。最も少ないのが神奈川県だという。

 このように、地方税収だけを取り出して比較し、格差を云々するのは、フェアではない。東京都が1円も受け取っていない地方交付税交付金は、受け取っている都道府県にとっては、まさしく“ふるさと納税”を大規模に行なっているのと同じである。

 地方制度調査会の審議では、国と地方の財政再建問題、都道府県・市町村の間の財政格差問題、社会保障制度の見直し等々、総合的な視点を踏まえて、きちんとした方向を打ち出してほしい。それは、政権がどの政党によって担われようとも大事な課題だ。

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