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2007年8月 1日 (水)

07年度の普通交付税が決まる

 国家予算の一般会計歳出総額は07年度83兆円弱。社会保障と国債費とに4分の1ずつ払い、地方交付税交付金等に18%使う。この3つで全体の3分の2ちょっと(68.8%)を占める。この地方交付税交付金の94%にあたる普通交付税の金額を総務省が決めて7月31日に発表した。総額は14兆2903億円(06年度14兆9527億円)で、その内訳は道府県に8兆603億円(同8兆4525億円)、市町村に6兆2300億円(6兆5002億円)である。

 基準財政需要が基準財政収入を上回る、つまり支出が税収などの収入よりも多い道府県や市町村は、足りない分を交付税という名目で国からもらう。もらう地方団体の数は1663(道府県45、市町村1618)、もらわない「不交付団体」はわずか188(道府県2、市町村186)しかない。しかし、地方団体も景気の回復で税収が伸びたので、不交付団体の数は06年度の171に比べ約1割増えている。

 これを人口でみると、不交付団体の人口(市区町村)は34.6百万人(06年度は33百万人)で、全人口の4分の1を少し上回る。市区町村を含め、不交付団体が1つもない都道府県の数は17。都道府県の不交付団体は東京都、愛知県だけ。市町村の不交付団体数は、愛知県39、神奈川県21、東京都16、埼玉県14、千葉県14、茨城県9、栃木県5、三重県5、大阪府5、福島県4、群馬県4、滋賀県4‥‥。

 基準財政収入額よりも普通交付税額のほうが多い道府県の数は28ある。そのうち、普通交付税額が基準財政収入額の2倍以上になっているものが11もある。3倍前後は島根県と高知県である。自前の収入がわずかしかない地方団体がいかに多いことか。

 市町村(都道府県ごとの合計)だと、基準財政収入額よりも普通交付税額のほうが多い道府県は13。最も多い島根県が1.67倍である。

 ちなみに、基準財政需要額が大きい都道府県をみると、東京都1兆7147億円(基準財政収入額2兆4240億円)、北海道1兆1867億円(同4771億円)、大阪府1兆1577億円(同9777億円)、愛知県9353億円(1兆547億円)などとなっている。最も小さいのは鳥取県1758億円(同470億円)、次いで香川県2021億円(同995億円)。規模や国への依存度合をみると、あまりにも開きがある。これらを同一のものさしで比較し、どうこう言うのは疑問に思えてくる。

 ところで、交付税総額はいくつかの税の税収額の一定割合で決まる仕組みだ。所得税、酒税の収入見込み額の各32%、法人税の34%、消費税の29.5%、たばこ税の25%から成る。東京都や愛知県で企業が納める法人税の約3分の1はよその道府県に交付金として給付されるということである。もちろん、残りの約3分の2は国全体の財源に回される。同様に、消費税の約3割はよその道府県に給付される。東京都や愛知県から他の道府県に税収を“贈与する”仕組みが昔からできているのである。その事実を多くの国民は認識していないのではないかと思う。 

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