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2007年8月 9日 (木)

香西税調会長の会見から

 本間前会長のあとを受けて、ことし1月、政府税制調査会会長となった香西泰氏の記者会見を聞いた。税制の話は難しいから、きちんと理解できたか、自信はないが、印象に残ったいくつかを挙げる。

 安倍総理大臣が昨年11月に行なった税調への諮問に対して、香西会長は「丁寧に沢山の問題を込めている。ある意味で感銘を受けた」と語った。あとで諮問の内容を読んでみた。

 『歳出・歳入の一体改革を進めていくにあたっては、「成長なくして財政再建なし」の理念の下、イノベーションの力とオープンな姿勢により日本経済に新たな活力を取り入れ、経済成長を維持していくことが重要である。こうした取組の下、国民負担の最小化を第一の目標に、歳出削減を徹底する必要がある。』

 『税制については、我が国の21世紀における社会経済構造の変化に対応して、各税目が果たすべき役割を見据えた税体系全体のあり方について検討を行い、中長期的視点からの総合的な税制改革を推進していくことが求められている。』

 『喫緊の課題として、我が国経済の国際競争力を強化し、その活性化に資するとともに、歳出削減を徹底して実施した上で、それでも対応しきれない社会保障や少子化などに伴う負担増に対する安定的な財源を確保し、将来世代への負担の先送りを行なわないようにしなければならない。』

 『税制が経済や財政にどのように関わるかというマクロ的な視点、税制が企業や家計にどのように関わるかというミクロ的な視点に立った分析が必要である。』

 経済成長の持続、歳出の削減、社会経済構造変化への対応、歳出負担増をまかなうための安定的な財源の確保、将来世代に負担を先送りしないこと、税制の経済・財政・企業・家計への影響を分析すること、が諮問に盛られている。とかく世間では各論が脚光を浴びるが、全体像のありかたをきちんと踏まえながら、各論のほうも進めるという議論のやりかたが望ましいということである。

 アイルランドの12.5%という法人税率は極端だとしても、世界的に法人税率のダンピング競争の時代に入っている。その中で、日本はどうすべきか。日本の法人税率は高いのか、そうでもないのか。引き下げたらどんな効果があるのかないのか。税率を下げると税収が減るので、課税ベースを広げるべきではないか、等々、企業課税一つとっても議論は複雑多岐にわたる。

 起業を盛んにするためのエンジェル税制などが日本ではあまり広がらない。起業増による技術革新、税収増を促進するために税制の歪みを是正する必要がある。

 所得税制の改革が必要。所得控除による税負担軽減は税の再配分効果を弱くしている。退職金・年金の課税は終身雇用を前提とした制度であり、給与所得とのバランスも欠いている。

 日本の財政の国債累積は第二次世界大戦末期の日本(1944年にGDPの1.4倍)を上回る(いま1.5倍)。国債残高のGDP比が下がっていくトレンドがはっきりすれば、財政破綻のリスクはやわらぐ。そのためには歳出・歳入一体改革が必要である。

 所得に対する課税から消費に対する課税(付加価値税、消費税)へというのが世界的潮流になっている。それでうまくやっている国があるということだ。以上、香西氏の話の中からの紹介。

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