« 香西税調会長の会見から | トップページ | マイケル・ムーアの映画「シッコ」 »

2007年8月10日 (金)

人事院は国民のほうを向いていない

 人事院が07年度の国家公務員の給与を引き上げるよう求める勧告を8日に出した。若年層(俸給表の3級以下)の月給を引き上げるとともに、期末・勤勉手当(ボーナス)は全員0.5ヵ月引き上げるという内容だ。完全実施で歳出増加額は約450億円という。地方公務員が追随すれば、地方自治体も約930億円、歳出増になるという。

 公務員給与は民間給与に準拠するという理屈だが、民間給与の実態をきちんと調査したのかどうか。東京新聞の8日付け朝刊の社説によれば、国税庁の民間給与実態調査(05年)だと、公務員を除いた給与所得者の平均年収は436.8万円、連合の調査(05年)だと、加盟組合員の平均年収は580.4万円である。これに対し、国家公務員行政職の平均年収(06年)が635.6万円である。これでは国民の納得が得られないだろう。

 ストライキ権がないとはいえ、終身雇用が保証されているし、退職金は民間を大幅に上回っている。加えて、多くの公務員が天下りのうまい汁を吸っている。そうした生涯収入の観点を抜きにして、給与だけ民間準拠というのはいいとこどりもほどほどにしてもらいたい。人事院も同じ国家公務員だから、お手盛りだ。

 地方の大学で教えていたとき、入学早々の学生の7、8割が公務員志望だというのに驚いたことがある。この場合、地方公務員だが、国家公務員も地方公務員も収入の面では同じようなもの。庶民はいかに公務員がおいしい仕事か、よく知っている表れだ。

 公務員というと、社会保険庁が真っ先に頭に浮かぶ。そんなところにも期末・勤勉手当を出すというのはブラック・ユーモア以外の何物でもない。また、国も地方も財政破綻に近い借金だらけの状態であり、歳出・歳入一体改革で国民にあれこれ負担増をお願いしなければならない。そうであれば、まず、官が歳出削減に対して率先垂範であらねばならない。そうした危機感もない人事院や財務省などには怒りを覚える。 

|

« 香西税調会長の会見から | トップページ | マイケル・ムーアの映画「シッコ」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/16062175

この記事へのトラックバック一覧です: 人事院は国民のほうを向いていない:

« 香西税調会長の会見から | トップページ | マイケル・ムーアの映画「シッコ」 »