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2007年9月 8日 (土)

地方公共団体の実質公債費比率に関心を持とう

 都道府県や市区町村の財政が地方債という借金でどれだけ苦しいか、苦しくないかを表す実質公債費比率(04~06年度の3年間平均)を総務省が7日に発表した。皆、自分の住む地域の比率を見て、自治体の財政状況がどうなっているか知ろう。

 比率が低いほど財政状況はよいと言えよう。18%以上だと、地方債の発行が自由にはできなくなる。25%以上、35%以上だと、それぞれ、もっと起債が難しくなる。

 夕張市の破綻を未然に防げなかった反省でつくられた地方公共団体財政健全化法(ことし6月成立)は健全化判断比率として4つの財政指標を定めているが、その1つが実質公債費比率だ。大雑把に言うと、分母は地方税や普通交付税など使途が特定されていない財源、分子は地方債の元利償還金およびそれに準ずるもの(公営企業の地方債元利償還金への補助など)。起債で公共事業などを行なえば、当然、地方債の利息支払と償還が必要になる。そのツケの重さを比率は表している。

 都道府県では北海道20.6%、兵庫県19.6%、長野県19.2%、島根県18.1%が高い。低いほうでは神奈川県9.8%、群馬県10.2%、和歌山県10.3%、京都府10.7%、長崎県10.9%など。ちなみに東京都は15.2%、愛知県12.4%である。

 政令指定都市では、横浜市26.2%がトップ。次いで千葉市24.8%、福岡市23.0%、神戸市22.3%、川崎市21.1%、名古屋市20.9%、広島市20.9%、京都市19.3%の順だ。市町村で比率トップは長野県王滝村で42.2%。30%以上の市町村は全国で10ある。

 もっとも、横浜市は、主要な財源である都市計画税が分母に含まれていないうえに、地下鉄、下水道などの投資が大きいため、分子が膨らんで、見掛け上、財政状態が悪いようにみえるだけだと、比率の算出方法を批判している。

 そうした問題点はあるものの、比率が18%以上の黄信号の市区町村が501、全体の27.7%に達するのには驚く。島根県では21市町村全部が18%以上である。18%以上の市町村の数が5割を超える県は、鳥取県(63.2%)、青森県(60.0%)、岡山県(55.6%)、富山県(53.3%)、石川県(52.6%)、山形県(51.4%)、高知県(51.4%)である。

 一方、18%以上の市町村の数がゼロのところは長崎県と大分県。1つが栃木県、神奈川県、愛知県、三重県、2つが福井県、3つが福岡県、4つが東京都、岐阜県、滋賀県、愛媛県である。

 実質公債費比率のデータを見ていると、財政の良し悪しはそれぞれの市区町村によって相当異なることがわかる。国におんぶでだっこを求める自治体もあれば、自主独立の精神で財政の健全性を踏まえた行政を進めてきた自治体もある。単純に大都市圏と地方との格差ばかりを言い立てるのは必ずしも的を射ていないのではないか。   

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