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2007年9月12日 (水)

政府税調の田近調査分析部会長所感

 11日に開かれた政府税制調査会第14回調査分析部会で、部会長の田近栄治氏(一橋大学教授)が「調査分析部会のこれまでの審議をふりかえって(所感)」を表明した。

 「(1)社会経済構造の変化」で、「税制を取り巻く環境の変化」と「各税目に求められる役割の変化」を具体的に挙げ、「(2)歳出歳入一体改革の中での税制改革」で、まず、プライマリー・バランスの確実な黒字化と、高水準の国債残高/GDPから生ずるリスクの軽減に向けた取り組みの強化を課題に挙げた。

 そして、もう一点、「「歳出改革の取組みを行って、なお対応しきれない社会保障や少子化などに伴う負担増に対しては、安定財源を確保し、将来世代への負担の先送りは行わない」こととするための必要額が明確にされる必要がある」と述べた。どの位の増税が必要かを明確にする作業の手順として、田近氏のこの見解は間違ってはいない。

 ただ、経済同友会のあるメンバーによると、最近、同友会の財政関係の委員会で、財務省はもっと財政の実態を示す情報を出すべきだという意見が強かったという。国債発行額や国債残高ばかりを言い立てて危機をあおるのではなく、バランスシートのように資産・負債についての詳しい情報を開示すべきだということらしい。確かに、歳出の中身を含め、徹底した情報の開示が十分かといえば、そうとは言えない。財政危機に対する国民の認識が乏しいのもそのせいかもしれない。そこは税調の議論に欠けている大事なポイントである。

 ところで、田近氏の言う増税額を明確にするには、何よりもまず歳出改革を徹底しなければならない。いまの予算編成は新規要求については厳しく査定するが、過去に認めた歳出の継続分などはほとんど見直さない。そこにムダな歳出が存在する。最近、明らかになった農業共済への行き過ぎた補助などは一例だ。税調は税金のことしか議論できないというかもしれないが、それでは歳出・歳入一体改革はうまくいかない。

 また、歳入の基本である税収にしても、クロヨン・トーゴーサンピン、消費税の益税、徴税の不均等など、納税意欲を損ねる問題が依然残っている。財務省の中に、難しい問題の解決に力を入れるよりも、消費税を上げるほうがコストも安くすみ、楽だという安易な発想があるとしたら、それこそ国民の信頼を失うだろう。税調の審議は常に基本に立ち返って議論をきちんと積み上げてほしい。 

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