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2007年9月22日 (土)

脱北帰国者支援機構代表、坂中英徳氏の話から

 法務省の元東京入国管理局長で、現在、脱北帰国者支援機構代表の坂中英徳氏の話を聞いた。在日韓国・朝鮮人問題や、近年の外国人受け入れ問題などについて語ったが、日本の政治がこれらの問題に真正面から取り組んでいないことに強い不満を表明した。自民党総裁選における福田、麻生両氏の政見では全く触れられていないが、重要な問題点の指摘である。

 福田、麻生両氏は北朝鮮による拉致の問題を取り上げていたが、1959年~84年の帰国運動で北朝鮮に帰国した在日朝鮮人約9万3千人(うち日本人妻など日本人6800人)の救出については何も述べていない。“地上の天国”だと思って北朝鮮に帰国したものの、実際は地獄だった。出国の自由はなく、下層身分に位置付けられ、差別と監視の対象となって、強制収容所に監禁されたり、餓死したりした人が多いといわれる。

 日本に家族が残っている人は、日本から金銭や物品を送ってもらうことが可能だからまだましだ(この人質によって北朝鮮は日本からたくさんの金品を巻き上げたとも言える)が、それができない帰国者は悲惨な状態だという。

 日本人妻は1800人、北朝鮮に行ったが、坂中氏は、そのうち、生きているのは100~200人と推定する。生きているなら70~90歳ぐらいだろうという。彼女たちは山奥で、古代の縄文人のような貧窮生活をよぎなくされている。その人たちの救出を、日本の政治家は金正日総書記に働きかけるべきだと強調した。

 日本人妻は日本へ帰って死ぬのを願っているが、それができず北朝鮮で死んだ場合には、頭を日本に向けて葬ってほしいと言っているそうだ。

 坂中氏は、北朝鮮に帰国した人々は二世、三世を含めると、普通なら現在30万人超でもおかしくないが、実際には20万人ぐらいだろうと推測している。将来、自由に往来する道が開かれれば、半分の10万人くらいが日本に戻ってくると想定し、日本政府は受け入れ体制を整えるべきだという。

 また、坂中氏は、これからの50年間に日本の人口が4千万人も減る少子化対策の1つとして、50年間に1千万人の外国人受け入れを提唱した。そして、いま200万人を超える外国人が日本にいるが、その中で、日系人二世のブラジル人30万人の子弟の教育をきちんと行うことが緊急の課題だと述べた。

 彼らが中途半端の出稼ぎ意識だとしても、子弟がほとんど日本の学校教育を受けようとしない状態は改める必要があるという。このままだと排斥運動が広がりかねない。日本は外国人受け入れのあり方を真剣に考え、他民族との共生の実現を目指すべきだ、それが坂中氏の主張だった。

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