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2007年9月20日 (木)

経団連が財政改革のあり方を提言

 公明党が、19日、政府の基礎的財政収支(国・地方)を2011年度までに黒字化するという財政再建目標を「錦の御旗のごとく掲げなければならないのか」(北側一雄幹事長)と達成時期の先送りを求めた。

 その前日(18日)、日本経団連は提言「国・地方を通じた財政改革に向けて」および税制改正に関する提言を発表した。日本の財政は「長期金利の高騰に対して極めて脆弱な構造」であるとし、「中長期的な財政健全化目標ならびに国・地方の税・財政関係のあり方について、経済界としての考え方を示す」ものである。

 それによると、基礎的財政収支の黒字化は財政健全化への一里塚であり、GDPに対する政府債務残高の比率のさらなる上昇を避けるという意味にとどまると指摘。先進国の中で最悪の状況から脱するためには、次の目標として、GDPに対する国の債務残高の比率の安定的な引き下げ(目標としては例えば、07年度末約116%を100%以下に下げる)を掲げるよう提言している。予算編成の基準としては、債務の利払費用までをカバーする狭義の財政収支黒字化が選択目標として考えられるとしている。

 そのための歳出歳入一体改革では、消費税については経団連がことし1月に発表した提言「成長と財政健全化の両立に向けて」を踏襲し、当面2%程度引き上げ、2015年までにさらに3%程度の引き上げを唱えている。

 公明党は基礎的財政収支を黒字化する目標年次を先延ばしして歳出を増やそうという考えらしい。しかし、一里塚にすぎない基礎的財政収支黒字すら達成できなければ、財政再建はおぼつかない。経団連がポスト財政収支黒字化の目標設定を求めたのは評価したいが、目標年次を掲げなかったのは不満だ。

 ところで、地球温暖化対策では、京都議定書で一部先進国に対し、2012年までの温室効果ガスの排出削減目標を定めている。しかし、京都議定書は地球温暖化を抑えようとする取り組みの過程における一里塚にすぎない。2012年より先の抑制対策は先のG8で「2050年までに半減」という安倍首相の働きかけが受け入れられただけで、国連レベルではまだ何も決まっていない。だが、その京都議定書の目標すら、達成できるか、危ぶまれている。日本の財政再建と世界の温暖化対策は、よく似た状況にある。

 日本にとって、財政改革も、地球温暖化対策も深刻な課題である。しかし、国民1人ひとりが深刻さを実感しにくいから、一里塚にすぎない改善目標すらホゴにしようとする動きが生じる。まして中長期の目標を設定し、それを実現するための各論を詰めて実行するのは並みの政治力では不可能だ。大きな時代の曲がり角では、国民に新しいビジョンを明示し、説得し、それで国民が納得し、ついていくようにできる政治パワーの必要性を痛感する。

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