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2007年9月16日 (日)

福田さんか、麻生さんか

 安倍さんのあと、総理大臣になるのは福田康夫氏か、麻生太郎氏か。自民党内部での跡目相続の選挙が行われる。政党間の政権をめぐる闘いではないから、あまり盛り上がらなくて当然だが、小泉純一郎氏のような個性的なキャラクターが1人でも加わっていたら国民の関心が高まったかもしれない。

 うろ覚えだが、十数年前、諸井虔氏(元経済同友会副代表幹事)から、二大政党の時代における保守政党と革新政党の対立点は大別すれば2つだろうという話を聞いたことがある。一つは、市場競争を重視するか否かである。いま1つは、外交・安全保障をめぐり、対米重視か否かである。このものさしを今日の自民党と民主党に当てはめてみると、対立の構図がうまく説明できない。

 2つの対立点のうち、前者は、大きな政府か、小さな政府か、と重なる面が少なくない。大きな政府、小さな政府という場合、GDP比などでとらえた歳出規模や税収・社会保険料などでみるのに加え、法的規制が多いか少ないかで判定する部分もある。許認可、競争制限、国公営などが多ければ、大きな政府に該当しよう。

 いまの日本だと、急速な少子高齢化で、社会保障へのニーズが年々増大している。だから、福田、麻生両氏が「小さな政府」を志向して構造改革を続行しても、現実には、社会保障関連の規模拡大で、カネの面では小さな政府が大きくならざるをえない。せいぜい大きくなる程度を抑えることしかできない。一方、法的規制については、自民党は市場原理の採り入れによって大きな政府を小さくし、経済を活性化しようとしてきている。しかし、それが格差などの問題を起こした理由だと批判されている。

 参院選敗北で、自民党には格差問題などで、大きな政府を志向する動きもなくはない。社会保障費用の増大および財政再建の必要から、福田、麻生両氏とも消費税引き上げに言及している。これに対し、民主党は歳出削減などで財源を生み出すとして、増税せず、と言い切っている。保守政党が増税を、逆に、革新政党が小さな政府の維持を、というのは従来の保守、革新の概念では例外のようにみえる。

 もう1つの対立点とされる外交・安全保障については、民主党がテロ対策特別措置法で対米重視と異なる方針を打ち出した。世界の安全保障をめぐる情勢の変化があろうとなかろうと、保守の自民党はお経のように対米協調を繰り返すだけである。そして中身はさておき、憲法改正を唱えている。さりとて、民主党も、テロ特措法以外は、与党とは大きく異なる独自の外交・安全保障政策を国民に訴えているようにはみえない。その点では、社会民主党のほうが自民党との違いがはっきりしている。

 諸井氏の2つの対立点がそもそもピントはずれなのかもしれないが、別の見方として、日本の政党がまだ二大政党政治にふさわしい姿に再編成されていないとの解釈もできるのではないだろうか。自民党の内輪の後任争いがメディアで大々的に取り上げられるのも、政権の座にある自民党が理念を掲げた確固たる保守政党になっておらず、その時々で、基本政策さえもが変わりうるからだということかもしれない。 

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