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2007年11月18日 (日)

IPCCの報告書

 ノーベル賞を受けたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が統合報告書をまとめた。3つの報告書を統合したもので、政策担当者向け要約を読むと、改めて地球温暖化問題の難しさを痛感する。

 産業革命前に280ppmだった大気のCO2濃度は2005年には379ppmに達している。そして、いまは毎年2ポイント近く、濃度が上昇している。このままだと21世紀中に500ppmをはるかに超え、600~700ppm程度に達するかもしれない。

 温室効果ガスの排出量(フロー)をふやさないようにしても、ストックとしての大気の濃度は少なくとも200年は上がっていくという。それが下がり始めるまでには相当の年月が必要だ。そして、海面上昇など温暖化の影響は数世紀にわたって続くという。人類の運命はまさに温暖化対策にかかっている。

 報告書は、今後20~30年間の排出削減努力と投資がより低めの安定化を達成する機会だと指摘、排出削減が遅れれば、気候変動のより深刻な打撃を招くとしている。

 そこで、できるだけ早く、温室効果ガスの大気への排出量を大幅に減らすようにする必要があるが、どうやって世界各国が協調して実施するかだ。先進国、途上国などの間での利害対立があるし、それぞれの国の経済システムからかけ離れた対策をとるのも難しい。

 さりとて、排出量の削減率を低くしたり、実施時期を先延ばしすれば、温暖化の悪影響はより深刻になってしまう。ましてや、小さい島嶼国や海抜ゼロメートルに近い国土が多い国など、環境悪化に弱い国はすでに打撃を受け始めている。

 小田原評定で対策の実施が延びるのもまずいし、全会一致ないし圧倒的多数の賛成を得てということで、まずはゆるやかな目標を設定するというのも困る。したがって、主要先進国ないし主要排出国から成る少数の国で、基本的な枠組みを早期に決定することが一番だ。同じ宇宙船「地球号」に乗っている者として、人類のサステナビリティを図り、生態系をできるだけ保存していく仕組みができることを望む。

 12月のバリ島でのCOP13(第13回気候変動枠組み条約締約国会議)はポスト京都議定書の議論を始める。人類の存続に関わる重要な国際取り決めに責任を負う歴史的な会議だから、要注目だ。個人的には、人類、国家のエゴが強いから楽観的な見方はしていないけれど。

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