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2007年11月 7日 (水)

混合診療を認めた地裁判決に敬意

 神奈川県のがん患者が保険診療と保険外診療を一緒に受けると、保険診療分まで全額自己負担となるのはおかしいと国を訴えていた裁判で、東京地裁が患者の主張を認める判決を下した。いい判決だ。それにしても、弁護士が誰もこの患者の弁護に立たなかったというのはひどい。弁護士法第一条「弁護士は基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」はこの国では死文と化しているのか。

 健康保険が使える範囲の診療で治癒するのなら何の問題もない。しかし、がんは早期発見での治癒率が上がってきたとはいえ、まだまだ治りにくいがんが多い。また、一流の医師・病院にかかっても、治るとは限らない。だから、治りにくいがんの患者がわらをもつかむ思いで、あらゆる治療法を追求しようとするのは当然である。

 だから、健康保険がきく治療法で治らない患者やその家族は、保険対象外でよい治療法があると聞けば、その費用をまるまる自腹で払ってでも受けようとする。しかし、保険非適用の治療を受けると、保険適用の診療分までもが保険非適用とされ、全額自己負担になるというのがこれまでの医療保険制度である。一種のペナルティである。

 この制度の背景には、金持ちだけがいい治療を受けられるのはおかしいという発想がある。また、混合診療を制度として認めてしまうと、医療費の膨張を抑えるため、新しい治療法を保険診療の範囲に加えようとしなくなるという主張もある。日本医師会などはそうした立場だ。

 しかし、現実には、金持ちではないがん患者やその家族が、治癒を願って保険適用外の自由診療を受けているのはざらだ。その結果、保険適用分まで100%自己負担になって、余計に生活が圧迫されている。混合診療を認めないために、かえって普通の家庭を苦しめているという現実に厚労省は目をそむけているのである。 

 がん治癒率ランキングがメディアで紹介されるように、ごく一部の大病院だけでしか、国民はすぐれたがん治療を受けられない。私の知人はがんで○○市民病院に入院したが、その市の住民は「○○死人病院」と皮肉っていた。入院したら、まず生還できないからである。知人もろくな治療を受けられず、保険適用外の治療に救いを求めた。このため、家族はそれこそ有り金をはたいたり、会社から退職金を前借りしたようだ。

 判決は、混合診療だと保険診療の分まで100%自己負担すべきだという法的根拠がないと指摘しているという。厚生労働省は現実の国民の苦しみを踏まえ、保険診療分まで全額負担という現在の混合診療のやりかたはとにかくやめるべきだと思う。

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