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2007年11月21日 (水)

迫り来るエネルギー危機にいまから備えを

 1850年から2006年までの間に、世界の人口は5倍に、1人当たりエネルギー消費量は8倍に、世界の総エネルギー消費量は43倍になった。そして、2006年の世界総エネルギー消費量のうち、石油、石炭、天然ガス、原子力による供給が89%に達した。1965年から2006年までの間でも、世界総エネルギー消費量は2.84倍に増えた。

 今後もエネルギー消費は増大する。2004年から2030年までの間に世界消費量は57%増える(EIAの経済成長参照シナリオ)。2030年においても、エネルギー需要の86.5%が石油、石炭などの炭化水素系エネルギーによってまかなわれるという。

 エネルギー需要がどんどん増え、それを炭化水素系エネルギー中心に供給し続けることが持続可能(サステナブル)なのか。デービッド・ヒューズ(カナダ地質調査所上級地質学研究員)氏の講演を聞いた。

 原油の確認埋蔵量を直近の年生産量で割ると、40年ちょっとになる。原油の新規年間発見量は1984年以降、年生産量を下回っている。可採埋蔵量は発見、技術進歩、価格などに左右されるし、生産(採掘)・消費は投資や価格に影響される。

 しかし、C.J.キャンベルの予測によれば、世界の原油・天然ガス生産は2010年にピークに達し、あと、急速に減っていく。2100年にはピークの7分の1程度にとどまる。

 石炭は最もコストが低い熱源で、1981年~2006年に消費量が70%も増加した。2001年以降、06年までの間に29.6%も伸びている。一つの未来予測としては2025年にピークを迎える(WEO2006年代替シナリオ)というものがある。

 原子力発電はもっぱら軽水炉だと2030年にウラン資源を使い果たす。

 再生不可能な上記のエネルギー資源を人類は使い果たしつつある。さりとて、再生可能エネルギーがとって代わるのは不可能ではないにしても、きわめて困難だとヒューズ氏は指摘する。しかし、とにかく持続可能なエネルギー供給に必要なインフラを整備すること、省エネと効率向上によりエネルギー消費を削減することーーの2つを提案した。

 私の解釈では、持続可能な代替エネルギー中心の供給体制に転換するしかないが、それでいままでのようなエネルギー量の供給はきわめて難しい。だから、あらゆる面でエネルギー消費を減らすことが求められる。とにかく家庭、社会、企業などで石油、電力などの消費をとことん減らすための取り組みをすべきだということである。

 エネルギーの輸入依存度が極端に高い日本は、省エネなどで輸入を最小限に抑え、初期コストは高かろうと、エネルギーの「地産地消」を進めよとヒューズ氏は言う。同氏が日本に勧める取り組みをいくつか紹介するとーー

 ①建造物のエネルギー効率を最大限に高めるように改良する、②太陽光発電・風力発電などに導入のインセンティブを与える、③自動車なしで移動しやすい都市に改造する、④道路建設計画を中止し、公共交通機関を増やす、⑤在宅勤務、⑥食糧などの「地産地消」、⑦石油などは燃料に使わず、化学産業などの原料にする。 

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コメント

石油時代は終わったと極論する人もありますが、ハンドリング容易なことから離れ難いものがあるのです。
しかし、経済発展に合わせて石油供給量を増やすことを画策するのでは無く、省エネを進めて石油消費量を何とか少なくする工夫が、今地球温暖化防止の観点からも求められている喫緊の課題だと思っています。

減反政策は変更し、地産地消方式のバイオマスエネルギーも促進させる政策も会わせて必要となると思います。

投稿: カーク船長 | 2007年11月27日 (火) 15時47分

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