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2007年11月12日 (月)

「WORLD ENERGY OUTLOOK 2007」の警告

 11月7日に国際エネルギー機関(IEA)が発表したことしのエネルギー・アウトルックについて、W.C.ラムゼー事務次長が12日、東京で説明の会見を行なった。副題が「China and India Insights」というように、急成長する中国とインドに重点を置いた内容。このままでは両国がエネルギー・環境問題に深刻な影響を与えることになることが示されている。

 世界の国々が現在の政策を続けると、エネルギー需要は2030年には今日の50%超になる。世界の一次エネルギー需要増の45%を中国とインドが占める。両国のエネルギー使用量は2005年の2倍以上になる。そして、エネルギー関連の全世界のCO2排出量は2005年の270億tから2030年420億tへと57%増える。2005~2030年における全世界の排出量増加の約60%を中国とインドが占める。中国は2007年に米国を抜いて世界第1位の排出国になり、インドは2015年ごろまでに第3位になる。

 今日、各国で考えられている温暖化対策案をもとに試算すると、2030年の排出量は340億tになるが、それでも2005年より27%も多い。世界の平均気温上昇を2.4℃に抑える「450ppm安定化ケース」を達成するには、2030年のエネルギー関連のCO2排出量を230億tにとどめねばならないし、2012年(5年後だ!)に300億tのピークをつけたあと、急速に排出削減していく必要がある。

 一方、中国とインドがもう少し速い経済成長をすると、エネルギー需要はもっと増え、中国とインドの両国では現在の政策を続けた場合よりも2030年においてさらに21%上乗せとなる。そして、全世界のCO2排出量は2030年において上記の420億tをさらに7%上回る。このケースだと、世界中の国が化石燃料の需要とCO2排出の伸びを抑える政策を緊急にとることが必要である。

 「これからの10年はすべての国にとって決定的に重大(crucial)だ」(田中IEA事務局長)が、その認識が主要国に共有されるか否かが人類の運命を大きく左右しかねない。ラムゼー事務次長は「中国もインドも、自国が気候変動に対して脆弱であることを十分承知している」と語ったが‥‥。

 発表資料を見ていたら、興味深い棒グラフがあった。現在の政策が続いた場合、中国の1900年から2030年までの累積CO2排出量はEUのそれに近い水準に達する。米国のそれの約3分の2にとどまるが、米国の1900~2005年のそれとほぼ肩を並べる。また、インドは1900~2030年の累積で日本のそれと並ぶ。といっても、中国の1900~2005年の累積よりも少ない。

 京都議定書のあとの地球温暖化対策は、世界中の国が集まって決めることだが、実際には、これら少数特定の巨大排出国がトータルとして大幅なCO2削減を実施すると決めればいいことだ。いわゆる大国ないし主要国のトップの責任は歴史上かつてないほどに重い。

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