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2007年12月17日 (月)

銀座のにぎわいと、ワーキングプアと

 昨日(16日)、東京・銀座を通りかかったら、さすがに人出が多い。世界的なブランドで知られる店のビルをいくつも見かけた。高級な雰囲気をただよわせるそれらのビルには、多くの客が出入りしていた。夜はイルミネーションなどで余計、豪華な感じがする。

 夜、テレビで「ワーキングプア」の第3部を放送していた。ちょっとしか見られなかったが、グローバル化の流れの中で、先進国のあちこちでワーキングプアが増えていること、いかに彼らに仕事や住居を与え、人間の尊厳を取り戻してもらうかが大きな課題であること、を訴えていたように思う。

 同じ日に、このように、天国と地獄ほどに違う現実を見た。ここから、すぐ、格差云々という話をするつもりはない。

 人間の生存にとって基本的なものは衣食住である。その3つに職を加えたい。テレビを見ていてそう思った。「衣食住職」というと抹香くさくなるから「衣食職住」と言えばいいだろう。その場合、「職」といっても、質素ではあっても暮らせる賃金がもらえ、仕事を通じて他人のために役立つとか、自分自身の向上心を満足させるといったものを指す。無論、他人をだましたり、迷惑を及ぼすといったたぐいの仕事は含まないし、サラ金などの看板を持ってただ突っ立っているようなのも含まない。

 その意味では、企業も、国・地方自治体も、人間の基本的な欲求の1つである「職」を提供することにあまりに無関心であった。労働組合のようなところも、組合員の利益しか考えなかった。

 ところで、基本的な「衣食住」は満ち足りているか、というと、「住」はいかにも貧相である。ことに、大都市では一軒一軒が勝手な家を造ってきたから、街も大半はごちゃごちゃして見るに耐えない。大地震などの災害にはいたって脆い。

 石原東京都知事は税収を3千億円も国に召し上げられ、それが地方の財政支援に回ることを条件付きで受け入れた。しかし、首都・東京の住宅事情や街並みを改善することが焦眉の課題であることを理解していたら、事態は全く異なった展開をしていたのではないか。

 また、ホームレス対策はNPOにもっぱら支援をゆだねているようだが、首都・東京の自治体はホームレスの人々に対し、「職」に就けるように支援する態勢を整備する責務があるし、まともな歩道がほとんどなく、自転車による事故が多発している等々、首都の抱える難問は多い。東京都、そして特別区が財政のゆとりを用いてそれらにも真っ向から取り組めば、相当のことはできるだろう。残念ながら、地方自治体とは言うけれど、真の地方自治の意識が欠けているようだ。

 政府や自治体はこうした基本的な人権にも関わる「衣食職住」を真剣に考えるべきだと思う。さりとて、何でもかんでも政府・役所に頼り、してもらうことばかり求める「くれない症候群」は直さねばいけない。「フリーランチはない」のである。医療、介護保険など社会保障制度では、政府は給付に伴う負担を誰がするのか、きちんと国民に伝えるべきだ。さもないと、後の世代に大きなツケ(財政赤字の累積)を残す。

 銀座を見て、テレビを見て、そんなことを考えた。

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