« 地方自治体の06年度普通会計決算 | トップページ | あれこれ、気になることが多い »

2007年12月 2日 (日)

「金融・資本市場競争力強化プラン」とは大げさ!

 経済財政諮問会議の金融・資本市場ワーキンググループが11月30日に「金融・資本市場競争力強化プラン」(仮称)の検討状況を報告、議論したという。

 そこで議論されている課題の1つは、証券取引所と商品取引所のいずれも、限られた商品しか扱えないので、諸外国の取引所のように総合的に幅広く商品を扱えるようにすべきではないか、という点だ。即ち、株式、債券、商品先物、商品(現物)は無論のこと、さまざまなデリバティブ(金融派生商品)をも含めて、どこの取引所でも手広く扱うようにしようという話である。

 すでにロンドンでも、ニューヨークでも、シンガポールでもやっていることだが、これまで日本でなぜ簡単にできなかったのか。その理由はいたって簡単、官庁の権限争いである。

 リスクのある金融商品という切り口では株式も商品先物も変わりがないから、英国のように1つの法律で規制したらいいのではないかという考え方が10年以上前にあった。しかし、証券取引所を所管する大蔵省と、商品取引所を所管する通産省・農林省は、自らの権限を失いたくないので、限られた自由化・国際化にとどめた。もちろん、一本化というような改革をしようとすれば猛烈なエネルギーが必要だが、そんなことまでしようという意思も意欲も官僚たちにはなかった。そういう事情もあった。だから、これまで異なる法律のもと、異なる所管官庁のもとで、各取引所は狭い分野の商品だけを扱ってきた。

 ワーキンググループの見解は、各取引所が幅広く商品を扱えるようにするが、商品の規制は金融商品取引法、商品取引所法それぞれによるということにするようだ。それだと、役所の縦割り権限は残るから、天下りポストはいままで通りだ。しかし、木に竹を接ぐような面もあるから、使い勝手はよくないだろう。

 こんな程度の改革なら、10年前でもやろうとすれば、やれたはずだ。日本の行政は、いつも、ロンドンやニューヨークを後追いするばかりで、先を読んで欧米よりも一歩前に出るという発想がない。ファイアウオールの緩和・撤廃、市場監視体制の整備などの課題もやはり後追いである。これでは、国内の銀行、証券会社などもほとんどが内弁慶から脱皮できないし、世界に伍す金融・資本市場を形成することも難しい。

|

« 地方自治体の06年度普通会計決算 | トップページ | あれこれ、気になることが多い »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/17246271

この記事へのトラックバック一覧です: 「金融・資本市場競争力強化プラン」とは大げさ!:

» 証券取引法と金融商品取引法 []
証券取引法と金融商品取引法の情報です。 [続きを読む]

受信: 2007年12月 2日 (日) 18時33分

« 地方自治体の06年度普通会計決算 | トップページ | あれこれ、気になることが多い »