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2007年12月 9日 (日)

自治体財政健全化の4指標に基準値

 総務省が先に成立した地方自治体財政健全化法に基づいて、自治体財政が破綻しないように財政状況を判定する4つの指標の基準値を7日に発表した。「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「実質公債費比率」、「将来負担比率」のそれぞれについて、「早期健全化基準」と「再生基準(将来負担比率だけは設定せず)」の数値を明示した。都道府県と市町村とはそれぞれ別の基準値であり、市町村の「実質赤字比率」と「連結実質赤字比率」の基準値は財政規模に応じて開きがある。

 数字は一人歩きしがちだ。基準値を自治体は行政運営に生かしてほしいが、基準値を超えなければ、絶対安心だというものではない。それ以上に、自治体の住民、議会が健全な財政を確保、維持する覚悟があるかどうかが重要である。“くれない症候群”が蔓延し、格差などを口実に、自らの財政健全化努力を怠っている自治体が少なくない状況のままでは、結局は国による“おんぶに抱っこ”が続くことになりかねない。

 今度の補正予算で地方の道路建設に対する補助を高めようとするなど、国は地方財政の自立を妨げる政策をとり続けている。ひもつき財源を減らし、地方自治体が自分の頭で地方自治を考え、実行できるようにすることのほうが大事だ。国はそれをろくろくやらないで、4指標のように監視する基準をつくり、その基準をたてに総務省が裁量で自治体行政にやたら介入するということになるおそれもある。

 したがって、各地自治体の住民や議会・行政は、まず地方自治を支える自主税財源の割合を高めることを目指すべきだ。それとともに、地方政府の行政や議会の取り組みを住民がもっと監視し、住民の暮らしや生産活動の向上にマッチした歳出になっているかをチェックしていくように変わっていかないといけない。皆が関心を持てば、さまざまな意見が出て合意形成は容易ではないが、そうしたステップを踏まない現状よりは住民自治に近いと思う。

 ところで、総務省は自治体の破綻うんぬんで指標をつくったが、国家の財政については、法的にきちんとした数値基準がない。プライマリーバランスだとか言っていても、ばらまきが復活し始めると、たちどころに財政健全化は二の次になりかねない。この際、年間財政赤字比率の上限、国の債務の対GDP比率の上限などについて、EUのように厳しい数値を設けることを衆参の議会に求めたい。衆参両院のねじれで、与党も野党もばらまき合戦で国民のご機嫌をとるなんてことをやっていたら、日本の将来は暗い。

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コメント

 財政健全化指標はいわばレッドカード基準であり、そこまで悪い例は実際には少ない。この不況の中、公表され始めた市町村のH21年度予算を見ると、概ね予算規模を縮小し借金を減らしているが、中には「基金とり崩しと言う借金」をまるで自主財源のように説明したり、財政規模を膨らましている市町村がある。
 2~3年この不況が続くと考えて、経費削減に取り組む以外に切り抜ける方法が無いと思うが、財政健全化指標と言う「免罪符」をかざして、夕張型の破綻の方向に向かっている市町村があるのは、いかにも嘆かわしい。^

投稿: 山蔦紀一 | 2009年2月25日 (水) 10時21分

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