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2007年12月22日 (土)

国民に展望を与えない08年度予算財務省案

 国の08年度予算の財務省原案や07年度補正予算などが提示された。新聞が詳しく報道しているように、参議院選挙で敗北した自民党があわてふためき、既得権益層にバラマキに走った姿が浮き彫りになっている。無理が通れば道理引っ込む予算だ。

 それでも、財政健全化の路線は変わらないという印象を国民に与えるために補正予算を利用するなど、目くらましが復活した。予算編成作業にあたる財務省の悪知恵と言えなくもないが、好意的に解釈すれば、変な予算を組むよう政治家に強要されたものの、財務省としては財政健全化の旗は降ろしたくないという意思の表れだろう。この国で、財政再建を言い続けている勢力は財務省しかいないのである(ただし、財務大臣は政治家だから、ポストを離れたら、どう言うかわからない)。

 谷垣禎一自民党政調会長はついこの間まで財務大臣として財政再建を重視する発言をしていた。それが、今度は地方を視察したりした結果とはいえ、バラマキを積極的に求める発言をしている。芝居の役者のように、役によって発言が百八十度異なるというのはいかがなものか。政治家はきちんとした信念がなければ、単なる政治屋である。まして派閥のボスともなれば、それなりの見識がなくては困る。

 自民党に族議員がはびこっていた時代は、それぞれの族議員が国全体のことなんか考えず、勝手な要求をしても、それに応じられる税収などカネがかなりあった。カネがなくなっても、国債を発行して、応じていた。それが限界に来たから、小泉内閣が族議員を抑え、財政改革に着手したのである。しかし、小泉内閣以降、景気がいいときも財政健全化は大して進まなかった。そして、今度の予算原案づくりでは族議員が勢いづき、歳出削減努力のタガが緩んだ。国債発行残高はまだまだ増えていく。憂うべき事態だ。

 国家予算というのは、時の政権がこういう社会を実現したい、と思って資金をどこにどれだけ配分するかというものである。政党が選挙公約(マニフェスト)を掲げ、政権を握ったら、国民との約束である公約を忠実に実現するのに、予算はきわめて重要だ。それなのに、与党は勝手に公約をご破算にしている。これでは、内閣の支持率が落ちて当然である。もっとも、民主党にしても、いまになって税制について党の政策をとりまとめているように、政権を担当したときに税財政などをどうするか、体系立って考えてきたわけではない。

 主に増税で財政再建をというのが財務省の本音だろう。それとは違って、歳出削減、行政改革、規制改革などと増税とを組み合わせて財政健全化を推進する政党が出現してほしい。 

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