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2007年12月 1日 (土)

地方自治体の06年度普通会計決算

 2006年度の都道府県および市町村の普通会計決算の概要が11月30日に総務省から発表された。概観すると、景気の回復による税収増により、地方自治体の財政状況は普通会計に関して都道府県、市町村のいずれもわずかだが改善された。

 国、地方とも、景気上昇による税収増で財政状態が若干良くなったが、猛烈な借金状態にあることは基本的に変わらない。今後の経済見通しにかげりが出てきたからといって、「それっ、財政出動だ」という発想は願い下げにしたい。

 歳出削減は都道府県で連続8年、市町村で連続5年。歳入のほうも同様に8年連続減、5年連続減だ。

 財政構造に目を向けると、都道府県の場合、歳入総額に占める一般財源の割合は年々上がっている。06年度は61.1%(02年度は52.0%)。一般財源の内訳をみると、地方交付税の割合が下がり、地方税(02年度30.2%→06年度37.9%)と地方譲与税の割合が増えている。市町村でも同様で、一般財源の割合は徐々に上昇し、06年度59.6%(02年度56.9%)。地方交付税の割合は下がり、地方税(02年度34.4%→06年度36.8%)、地方譲与税の割合が上がっている。

 歳出決算額の目的別構成比をみると、はっきりした傾向が現れている。都道府県では、民生費の割合が増え(02年度22.3%→06年度27.1%)、土木費が減っている(02年度17.6%→06年度15.0%)。市町村でも、土木費の割合が減少し(02年度18.1%→14.5%)、民生費の割合が上がっている(02年度8.7%→06年度10.2%)。都道府県、市町村とも、歳出全体に占める割合が上がり続けていた公債費が06年度に少し下がった。

 将来にわたる実質的な財政負担は、都道府県が79兆801億円(05年度比594億円減)、市町村が56兆9934億円(同1兆3517億円減)と非常に高い水準だが、わずかながら改善された。

 ところで、この市町村分の発表資料の参考として添付された図<目的別歳出充当一般財源等の状況:団体区分別>は興味をそそる。一般財源等に占める地方交付税の比率を都市の区分別に表示している。それによると、大都市は9.0%、中核市は15.8%、特例市10.8%、中都市16.5%、小都市34.4%、町村42.9%。

 一方、それらの都市で、地方税の占める比率は正反対で、大都市は66.0%、中核市は61.9%、特例市65.4%、中都市59.0%、小都市42.0%、町村32.7%となっている。地方税と地方交付税を足すと、すべて75%ちょっとになる。総務省による財政調整は地方税収の格差をほぼ完全に打ち消すように地方交付税を給付していることがわかる。税収だけで格差云々との批判がひどく的外れだということが明白である。

 それとともに、地域経済を活性化する努力をしてもしなくても、地方自治体の財政状況はさして変わらないというこの仕組みは、地域が自主、自立に向かって努力しようという意欲を生み出さない点で問題だ。これでは日本全体が沈んでしまいかねない。

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