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2008年1月18日 (金)

リサイクルの象徴である再生紙の古紙パルプ配合率偽装

 日本製紙など主要製紙会社がグリーン購入の対象になっている再生紙の古紙パルプ配合率を実際より高くみせかけていたという。品質を維持するために、バージンパルプ(原木からつくったパルプ)の割合を多くしていたわけで、品質上は何ら問題はない。古紙パルプ配合の割合を増やすと、品質保持が難しいという事実を公けにせず、環境にやさしい商品を使おうという消費者・顧客の心理につけこんだ商法が許せない。

 似たような製品をつくっている企業の間では価格競争になりがちだし、他社に弱みをみせたら負けということで、不都合なことは隠すきらいがある。今回の古紙パルプ配合率偽装も、そうした日本企業にままみられる傾向の表れである。

 ところで、木は再生可能な資源・エネルギーである。伐ったあとにきちんと植林すれば、長い目で見て大きな資源・環境問題にはならない。現実には、資源国からの木材チップの安定輸入に不安がないわけではないし、国内のごみ処理の面から紙ごみの再資源化が求められていたから、古紙の再生利用は大規模になっている。

 しかし、使用済みの紙ごみを回収し、再生紙にするのと、紙ごみを燃やして、その熱を発電などに使うのとは、環境への負荷はさほど違わない。無理して古紙パルプ配合率を上げようとすると、かえって薬品の多用などで環境負荷が大きくなってしまうことにもなりかねない。

 その意味で、再生可能な資源・エネルギーである木―紙を、あたかも再生不可能な資源・エネルギーであるかのように思って、無理なことまでして古紙パルプ配合率を上げなければならない理由はない。

 1990年代の初め、再生紙を使った名刺が流行り出した。環境にやさしいというPRだった。その頃から再生紙を使うことが環境にやさしい企業、役所であることを示すというようになっていった。いわば、環境問題への取り組み姿勢を示す象徴的存在になった。再生紙は当初、バージンパルプ100%の紙よりもコストが高かった。そこで、高くても買わなければ普及しないということで、グリーン購入などの仕掛けが生まれた。

 そうした経緯を踏まえると、グリーン購入を推進してきた人々を裏切ったことになる。製紙会社は、古紙配合率を上げることによるプラスとマイナスとについて普段から正確な情報開示をすべきだった。

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コメント

以前勤務していた会社で再生紙を使っている子会社に在籍していたことがあり事情は察していました。
 
環境が注目を浴びる中で、非常に正直な業者と取引をしていた様子で、再生紙を活用していたのですが、%表示はしていませんでした。その理由は、1%を採用していたからです。再生紙を利用しているとは明示されていました。総務部の人の話では、当初40%を希望してサンプルを依頼いたところ、昔のトイレットペーパーのような白とはとても思えない色で、最終的に1%を選択し、さらに表示方法を協議した結果だそうです。
 
従って、真面目な業者であれば、事前に契約自体は状態を知った上でなされている様子ですので、報道で問題視されていたような詐欺であることは少ないのではないでしょうか。

投稿: たぁ坊 | 2008年1月19日 (土) 11時51分

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