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2008年1月24日 (木)

サブプライムなどについての野口悠紀雄氏の見方

 24日に東京都内で開かれたセミナーで、野口悠紀雄早稲田大学大学院教授が現在の経済問題のいくつかについて見解を述べた。それを要約するとーー

 ・〔サブプライムローン問題と株価下落について〕日本の金融機関はほとんど持っていないのに、株価は米国よりも大きく下げている。これは日本の産業構造と深い関係がある。日本の景気回復は輸出の伸びによるもので、これは円安によってだった。昨年夏には歴史的な円安になった。いまは急激に円高になってきて、収益の悪化が予想される。サブプライムローン問題で欧米金融機関の行動が変わったから円高になった。

 サブプライムローン問題は金融工学のせいか。そうではない。証券化によってリスクが分散されたことは進歩だ。リスクをコントロールすることは我々の暮らしを豊かにする。ただ、プライシングがかなりいい加減だったと思われる。例え話をすれば、飛行機の操縦が下手で墜落したからといって、飛行機それ自体を否定すべきではない、それと同じだ。

 ・〔格差問題について〕個人間格差と地域間格差の2つがある。個人間格差は日本では比較的なかったが、最近は賃金と資本所得(配当、役員報酬とか)の間の格差という新しい問題が出てきた。地域間の格差を日本では税を使って是正しようとしているが、これは不健全なやり方だ。そのやり方は、助けるだけで本質的な解決にならない。地方の経済的活力を引き上げることをやるべきだ。

 ・〔再生紙の古紙パルプ配合率偽装について〕この問題はマーケットのシグナルを無視してはいけないという重要な示唆を与えている。中国が日本の古紙を買うから古紙が値上がりし、日本の製紙会社の古紙使用コストが上がった。しかし、グリーン購入法の規定は古紙100%とか硬直的だから企業は古紙配合率を下げることができない。一方で、古紙使用が多いほど環境コストが高くなることがある。中国など新興国の経済発展による需要増が世界の資源や環境に大きな問題となる時代になった。

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コメント

不用意に個人投資家(特にデイ・トレーダー等)が増えると会社の業績(実態)に関係ない投資が増えることが想像され、正に「風が吹けば、桶屋が儲かる。」の世界になるので、その影響力が大きいのではないでしょうか。
 
それと日本には各日で取引制限値が設定されています。さらには、反対取引に関しての制限もあり、その効果によって、一時的な下げがあっても復活する時期はあるのでしょう。しかし、それが一時的かもしれないという点で、完全に自由な海外諸国の市場と違うと感じており、その点を配慮すると、どうなんでしょう。問題は継続しそうです。
 
再生紙の問題は、影に、まだまだ嘘が隠れていると、業務上の取引関係が業界担当者とある人は知っていると感じています。実は、善意が仇となって嘘が露呈しているようにも感じていますし、見掛け上の環境保全運動を推進した反作用による問題だとも感じています。

投稿: たぁ坊 | 2008年1月25日 (金) 10時45分

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