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2008年1月27日 (日)

国民所得が11年前の水準に回復へ

 最近、財務省が国民負担率(対国民所得比)の推移データを発表した。1970年度から2008年度までの毎年度の数値を眺めていると、日本経済の変化が読み取れる。

 国民負担率(租税負担率と社会保障負担率の合計)は2007年度実績見込みで40.0%と初めて40%台に乗る。08年度は40.1%の見通しだ。1970年度は24.3%だった。30%台に乗ったのが1979年、35%を超えたのが1986年。以後20年余、30%台後半で上がったり下がったりし、2004年度以降はゆっくりとだが上がり続けている。

 内訳を見ると、租税負担率は07、08年度とも25.1%と十数年ぶりの高さだが、バブル景気だった1991年までの数年間よりは低い。他方、保険料負担を示す社会保障負担率は07、08年度とも15.0%と過去最高だが、こちらは1970年度の5.4%からあと一貫して上昇してきた。途中、1982年度に10%台に乗った。

 実際には、負担を将来世代にツケ回しする財政赤字がある。その年度のツケ回し額、つまり財政赤字を国民所得で割った比率は、第一次石油ショック後の5年間、8%台だったし、バブル後遺症の1998、1999年度や2002、2003年度には2ケタだった。

 財政赤字を加えた潜在的国民負担率では、07年度、08年度とも43.5%。過去のピークである1999年度の48.9%から見れば、改善してきているが、その間にも累積債務が積み上がっていることを見落とすわけにはいかない。

 ところで、国民所得自体は、07年度377.3兆円、08年度384.4兆円となっている。02年度355.8兆円を底に景気回復してきたことがわかる。しかし、08年度見通しが達成されれば、1997年度の382.0兆円をようやく追い越し、過去最高となる。バブルの最後の1991年度が371.1兆円だから、十数年かけて、やっと元の水準を少し上回るところに到達するということだ。富の配分に血眼になるのもいいが、富を増やすことのほうが日本経済の主要な課題だといわれる理由がよくわかる。

 ちなみに、2005年の主要国の国民負担率は米34.5%(潜在的負担率39.6%)、ドイツ51.7%(同56.0%)、スウェーデン70.7%(同70.7%)だそうだ。スウェーデンは租税負担率が51.5%と重い。ドイツは社会保障負担率が23.7%と大きい。時に、マクロ的な視点で日本経済を見るのは大事ではないか。

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コメント

数値的な羅列および比較に一つの素朴な疑問がある。
 
昔は、GNPが指標として使われていた。今は、GDPである。これだけ、グローバル化し海外生産も積極的に実現している現在と輸出が主で、その貿易収支を数値的にどう扱っていたと言う部分を勘案すると、その点に十分に留意した数字で比較検証をなさっているかどうかという点、為替相場の状況を考えたとき、復活したと言えるのか疑問を持っている。

投稿: たぁ坊 | 2008年1月29日 (火) 12時10分

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