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2008年2月24日 (日)

武藤副総裁しか日銀総裁にふさわしい人はいないのか

 日本銀行の福井俊彦総裁の後任人事をめぐって、政府・与党と民主党との折衝が延々と続いている。しかし、後任選びは国民には解せないことばかりだ。

 第一に、政府・与党は財務省事務次官だった武藤敏郎副総裁が適任だとして内々、民主党に武藤総裁案を提示しているようだが、なぜ武藤氏がいいのかの説明が聞こえてこない。武藤氏が金融政策の専門家としてすぐれた見識を持っているなんてことは聞いたことがない。また、海外の主要国の中央銀行総裁とわたりあえるという話も全くない。日本国内で、福井総裁を補佐する点ではすぐれていたのかもしれないが、それは日銀総裁になる十分条件ではない。

 日銀内部には(OBを含めてかもしれないが)、武藤氏の総裁就任を望む声が強いという。政府と時には対立しても、日銀の使命に照らして独自の政策を貫くという意味で、武藤氏のリーダーシップに期待する、というのなら、それは立派な姿勢である。だが、これまでの武藤氏の実績からは、そんなことは想像できない。日銀内部の武藤支持派はつまらん思惑で動いているだけと思われる。

 第二に、民主党はあれこれ言っているが、なぜ、対案、つまり、武藤氏以外の適切な候補者を挙げないのか。これまでの報道を読む限り、自信を持って提示できるだけの別候補を持っていないようにみえる。これでは、だだをこねているだけと国民の目に映るのではないか。できれば、リーク(情報漏えい)の形で、別の適任者を国民に示してほしい。

 それにしても、日銀総裁にふさわしい人物が払底しているのは情けない話である。まず、金融界には、この人ありという人物が見当たらない。学者・エコノミストの中には、やらせてみたら、意外に適任だったという人もいないわけではなさそうだが、学識だけでは総裁は務まらない。近年、学者が突如、大臣になったりする異分野交流が始まったように、こうした横の人事異動をどんどん実施してゆけば、内外に通用する第一級の人物が増えるだろう。

 民主党はゼロ金利や超低金利政策をとってきた日銀を批判している。その延長で、武藤氏の日銀総裁昇格に批判的になっている。だが、日本経済がデフレから脱却するためには必要な金融政策だったという見方が専門家の多数意見だ。日銀の政策決定会合でも、そうした意見が全員ないしは圧倒的多数だった。

 巨額の財政赤字を累積してきた政府・与党は金利引き上げには反対だ。もちろん財務省は反対である。また、借金の利払い増になるから、産業界も金利引き上げに基本的に反対する。国債をたくさん抱え、国債の値段が下がるのを避けたい金融界も同様だ。というわけで、根っから財務省人の武藤副総裁も、経済界の代表の審議委員も低金利政策の是正を積極的に推進しようとしない。たくさんの貯蓄をしていて、金利の正常化で受け取り金利が増える消費者の立場を主張するのは学識者にしか期待できない。それだって当てにはならない。

 日銀の独立性などと言うが、そもそも、総裁、副総裁、審議委員にどういう人を選ぶかにもっと目を向ける必要がある。そこの問題を民主党はもっと突くべきではないだろうか。

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コメント

主要ポストは、案外、Straw Manなのかもしれませんよ。
もっとも中には自らの意思で動き、トップダウンの人もいるのでしょうが、時代にマッチしませんので、その場合は誰も従わないというリスクも現代社会にはありそうです。

投稿: 漂流者 | 2008年2月25日 (月) 10時36分

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