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2008年2月29日 (金)

王子江の水墨画展を見て

 来日して20年の水墨画家、王子江(おうすこう)の作品を東京・上野の美術館2カ所で見た。この分野に疎いので、水墨画というと、山水の景観を掛け軸にしたものを想像していたが、全く違っていた。最初に見た「人生楽事」は、中国だろうか、川っぷちの屋台でおおぜいの人が食べ、飲んでいる様子を描いたもので、縦は2mぐらい、横が6、7mあり、その大きさにびっくりした。だが、後日、見た「天地萬物逆旅、光陰百代過客」、「聖域陽光」などはそれよりはるかに大きかった。

 水墨画というと、白黒のモノクロが普通だが、王子江はカラーも使っている。それが大きな絵にはよく合っている。京都、屋久島など日本の景観を題材にした水墨画も展示されていたが、個人的には「初雪の木曾福島」がとても気に入った。

 上野の展示では見ることができないが、薬師寺(奈良県)には横100m、縦2mの水墨障壁画「聖煌」が収蔵されている。姫路市、千葉県茂原市にも100mの水墨障壁画があるという。100mというとちょっと想像つかないが、見てみたい。

 ビデオで彼が「人生楽事」を制作している様子を見ると、私たちが書道で使うような筆で描いている。それも、白いキャンバス(というのか?)のほぼ真ん中から人の顔を描きだしている。全体の構図をきっちり決めて描くのではなく、おおまかに決めた後は、描いていくうちにイメージが広がるということで全体ができあがっていくようだ。また、筆の運びは速く、筆先が魔法のごとく人物などを創り出すのは見ていて感嘆してしまう。

 彼の水墨画は、自然景観を描いたものもあれば、人を描いたものもある。人でいえば、1人ひとりの表情や感情がはっきりとわかり、まるで生きているような気がするほど。「電車・百態人間速写」は電車で見かけた人の顔ばかりを描いているが、彼の描写力のすごさがよくわかる。

 「世界人類の平和を祈る」というサブタイトルの王子江展で、彼は「自然や人間のすべてにわたって興味を持ち、研究し、沈思し、真心をこめて作品を創作していきたい。それは作品によってこの時代を記録することであり、それが画家の使命でもあると信じております」(作品展示案内より)と言っている。まだ50歳で、会場にいた彼と話したら、謙虚で明るい人柄だった。 

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