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2008年2月 5日 (火)

「あらたにす」をどう考えるか

 最近、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞の3紙が一緒になって「あらたにす」というネット媒体をつくった。3紙の1面記事、社会面記事、社説、1面下のコラムなどをまとめて読める。「新聞案内人」と名付けて、著名人の何人かに交代でコラムを書いてもらう。トップバッターは伊藤元重東大教授だ。

 3紙は何のために、こうした媒体をつくったのだろうか。「3紙の叡智を結集し、新しいことを生み出していきたいという願い」という発足の際の趣旨説明は茫漠としすぎている。

 確かに、3紙の記事(の一部)をまとめて読める、それも1面同士とか、社説同士等を比較して読めるというのは読み手には多少なりとも役立つ。しかし、3紙それぞれのネット新聞を読めば、大体、それらの記事は載っているし、ほかの記事もある。したがって、読者にとって、メリットは言われるほど大きいものではないように思う。

 「あらたにす」は比較して読めるのを強調している。それなら、読み手としては、毎日新聞、産経新聞なども載せてほしい。他紙は参加を断ったのかもしれないが。

 若者の多くは新聞をほとんど読まないし、まして購読しない。そうした中で、ネット経由で記事を無料で提供するチャネルを増やすのは、いまでも購読者が減っている日刊新聞にとっては、むしろマイナスに響くような気がする。日経の場合は、経済専門紙なので、ほかの2紙に比べ、マイナスはあまりないだろうが。

 というわけで、「あらたにす」を始めた3紙の意図がよくわからない。何か、隠された意図があるのではないかとも思えてくる。新聞の発行部数が年々減っているように、紙媒体である新聞にとって経営環境は非常に厳しい。そうであれば、大手3紙が共同行為をするよりも、切磋琢磨して新聞という媒体をより魅力あるものにする、ないしは報道機関としての機能を生かしてどう経営革新するか、ということのほうががいま求められているような気がする。

 噂では、3紙が手を組んだ裏には、大阪地区における新聞の極端な値引き合戦をやめるというねらいがあったという。販売正常化のカルテル的な行為を隠蔽するため、3紙で何か、もっともらしい活動をということで、ひねりだしたのが「あらたにす」だという説だ。再販売価格維持制度を守るというねらいもあるかもしれない。その真偽は定かではないが、3紙とも株式非公開であり、あらぬ疑いをかけられやすいことは確かである。 

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コメント

新聞には故意なのかどうかは別として時には相反する内容として同じ記事が掲載されることがある。従って、このようなシステム作りは良い傾向だと歓迎している。
 
御指摘の通り、コラムだけでなく、記事にも焦点を当てるよう発展することを期待している。もし実現すれば、時には、資金提供による記事の取り下げや内容の差し替えという不正も暴けるのではないだろうか。

投稿: たぁ坊 | 2008年2月 5日 (火) 11時37分

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