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2008年2月19日 (火)

全国ユニオンが指摘する労働の現実

 全国コミュニティ・ユニオン連合会の鴨桃代会長に、春闘の取り組みなどについて話を聞いた。ひどい労働条件に苦しんでいる未組織労働者を支援している全国ユニオンはことしは「08均等待遇春闘」と銘打って、①均等待遇・格差是正(改正パート法の活用)、②60歳以降の雇用の確保・適正化(高齢法悪用との闘い)、③労働者派遣法の抜本改正、の3つに焦点を合わせているそうだ。

 具体的に挙げられた事例の紹介は省くとして、労働条件を一方的に大幅に引き下げる企業が少なからずあるのには憤りを感じる。人間らしく生きるためには賃金、労働時間、休暇などについて、これ以下はいけないという下限が法規制を含め、おのずからあると思うが、そうした一線を無視する企業があちこちに実在しているということである。そして、派遣で違法雇用がばれるとまずいということで、人身事故が起きても救急車を呼ばない事業者があるという話を聞いた。

 そうした非人間的な労働状況にある人たちに救いの手をさしのべる貴重な労組が全国ユニオンであるが、日雇い派遣の問題をはじめとして、どうして労働をめぐる問題が噴出しているのだろうか。

 非正規雇用が増えた背景には、国内外で競争が激化し、企業がコスト引き下げに血眼になっていること、雇用に関する規制が緩和されたことなどが挙げられる。だが、それに加え、既存の労働組合が正社員の労働条件にのみ取り組み、同じ職場で働くパート、派遣労働者を仲間に迎え入れなかったことも無視できない。その結果、ケータイの普及に伴い、日雇い派遣のような、雇う側に便利な雇用形態が急速に広がった。

 そして、グローバルな競争の激化、それに突き動かされた国内企業のコストダウン、あるいはデフレ経済下での下請け事業者への値下げ要求等々で、企業によっては生き延びるために、正規雇用であろうと非正規雇用であろうと、働く者の暮らしや基本的人権をないがしろにするようになった。労働者も職を失わないために、企業の無茶な要求を受け入れざるをえないこともあった。

 そうした動きに歯止めをかけるのは本来、労働組合のはずだが、企業内組合であるために、鈍かった。いま、そのツケが来ているように思われる。ともすれば、法規制の強化で解決しようとしがちだが、下手に強化すれば、企業の手足をしばる結果になって雇用を減らすことにもなりかねないし、働き方の多様化を妨げることにもつながる。もっと労働運動が連帯を強化していき、未組織労働者を仲間に入れる努力が必要な気がする。

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コメント

会社の敷地内は治外法権であるという考え方によって、仮に、自動車対通行人の交通事故であっても敷地内であれば自動車保険は使えない。死亡事故であっても同じようで。そして、労災になると、労基署によって面倒な話になる。そこで、救急車を呼ばず、被災者の家族と、その後の生活費等について交渉するのだそうだ。
 
その方法は様々である。部外者は遺族年金を支給する方法だと思い込みがちだが、実際には、その金額だけでは生活を支えるのは難しい。パートで働くとしても厳しい。そこで、社員として家族を雇う代わりに事件事故の事は断じて外部に漏らさないように漏らした時点で解雇するという契約をしている会社もある。
 
これは、あくまで一例であるが、いろんな方法がある。
その点は記事にはできないのかもしれないが、御存知だろうか。そうでなければ、調べてみると面白いかもしれませんよ。

投稿: 漂流者 | 2008年2月19日 (火) 12時20分

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