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2008年4月18日 (金)

経団連の国家予算制度改革提言

 日本経団連が4月15日に提言「財政健全化に向けた予算制度改革」を発表した。財政健全化は待ったなしの課題だが、それを達成するためには、立法府および行政府における予算制度にまで踏み込んで改革をする必要があるという問題意識に基づく。

 提言では、「当面の措置」として、立法府に「財政健全化に係る中期的コミットメントの形成」を求めている。5年間程度の財政構造改革目標を設定し、「歳出歳入改革法」制定などで一定のコミットメントを行なうことを求めている。その内容には、一般会計ベースの基礎的財政収支(PB)黒字化に加え、国債残高対GDP比の安定的低下も盛り込む。さらに、財政再建と経済成長を車の両輪ととらえ、経済成長の維持、国際競争力の強化に必要な施策を盛り込むとしている。

 中長期的観点から、衆議院および参議院の事務局、特に予算議決の優越的権限を付与されている衆議院の事務局の情報収集・分析機能拡充が必要だとしている。財務省や内閣府に判断の前提となる情報を全面的に依存している状態は望ましくないからだ。

 また「将来的課題」として、一般会計のPB黒字化を達成したあとは、財政構造改革の目標を「債務の利払費までをカバーする財政収支の改善に向けた赤字縮減とすることが考えられる」としている。

 衆議院事務局の企画・調査能力を強化し、「必要に応じて外部の研究機関なども活用して、行政府の想定するマクロ経済や財政収支見通しについて多角的観点から検証を行なう」ようにし、国会のコミットメントと政府の施策との整合性を確保するという。参議院事務局については、決算審査をより実効性のあるものにするためのサポート体制を強化すべきだと述べている。

 行政府に対しても、当面、政策評価制度を充実すること、それと予算との連携を強化することと、将来的課題としては、「予算編成担当部局への政策評価担当部局の統合も検討すること」を求めている。

 「はじめに」で、「政治情勢などにかかわらず、長期的な観点から財政規律の回復に向けて着実に取り組むための仕組みが必要であり、そのためには、立法府および行政府における予算制度のあり方にまで踏み込んだ改革が求められよう」と、問題意識を書いている。現下の“ねじれ国会”を思えば、経済界がこうした提言をした理由が納得できる。

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コメント

国債残高対GDP人あるが、国債残高対GNPにしないと国内の景気は良くならず制度化しても寄与しないのではないでしょうか。仮に制度化しようものならドンドン実態とかけ離れた政策を維持することになってしまわないでしょうか。心配です。もっとも提案することや議論をすることは良いことだとは感じています。

投稿: たろう | 2008年4月19日 (土) 15時58分

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