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2008年4月12日 (土)

温暖化対策の茅恒等式

 地球温暖化対策における技術の役割は? 山口光恒東大先端科学技術研究センター特任教授が3月に行なった講演の要旨が4月11日の日本経済新聞朝刊(広告欄)に載っている。その中で紹介しているのが茅陽一地球環境産業技術研究機構副理事長が唱えた「茅恒等式」の簡易版である。

 CO2排出量=CO2排出量/GDP×GDP  これを微分すると、

 CO2排出量変化率=技術進歩率+GDP成長率  となる。つまり、CO2排出量を減らすには、技術進歩か、経済成長率を減らすか、それら以外に方法がない、という。

 1990年を基準にして、2050年までにCO2排出量を半減するには、GDP成長率をゼロとした場合、年率3.856%の技術進歩がなければならない。これまでの数十年の実績は1.227%(燃料転換を含む)だから、その3倍強のテンポの技術進歩が必要とされる。

 しかし、実績程度の技術進歩率しか今後も実現しないとすると、「GDPを成り行きから8割も減らさなければなら」ないが、それは現実的には難しいという。山口氏は「結局、技術の革新や普及なしにCO2の大幅削減はできない」と述べている。

 山口氏の話に基づけば、BRICsなどの経済発展を許容しながら温室効果ガスの排出総量を減らすには、CO2大幅削減につながる大きな技術進歩を達成するしかない。だが、大きな技術進歩が無理だとすると、世界の経済成長率を相当に抑える必要がある。そうしたシナリオが達成できなければ、温暖化が進行し、人類は破局に向かうということになる。

 サブプライムローンに端を発した、世界経済と国際金融市場が直面している現在の危機。G7の会議(7ヵ国財務相・中央銀行総裁会議)がワシントンで開かれ、金融システム不安と米国を中心とする世界経済の低迷に対して、協調行動をとることになった。だが、安定した経済成長をめざすなら、地球温暖化対策としては、それだけ技術革新のテンポを上げねばならない。そんなことも併せて考えねばならない時代である。                   

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