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2008年4月 2日 (水)

値下げと値上げのニュースから

 4月1日のニュースのトップはガソリンの値下げである。次いで庶民にとって身近なニュースは食品関係での値上げである。暫定税率論議はさておき、ガソリンの値下げで消費者は喜んでいる。値上げに対しても、消費者は「収入が増えないのに」と言いつつも、至って穏やかである。最近の日本人は、犯罪を起こすような者は別として、滅多なことでは怒らなくなったなあと思う。豊かでゆとりのある社会だからだろう。

 値上げというと、1973年のオイルショックを思い出す。“狂乱物価”という言葉に示されるように、消費者物価が1974年に2割以上も上がって、生活が苦しかったことを覚えている。本当に、翌年春の賃上げが待ち遠しかった。原油価格の上昇で、日本から産油国へ所得が移転し、日本の高度成長は終わった。海外の資源に多く依存している日本にとって、工業原材料や穀物などの輸入品の値上がりはズシーッとこたえる。

 現在の世界的な物価の上昇も当然、日本を直撃している。日本から資源生産国への所得移転が大規模に行われているのである。原油の大幅な値上がりだけでなく、石炭など他のエネルギーの価格上昇もあるし、鉄鉱石をはじめとする鉱物資源の高騰、小麦、とうもろこし、大豆などの穀物の大幅な値上がりもある。

 それらを原燃材料とする工業製品、農産品、輸送サービスなどのコストは上がる一方だから、日本国内の企業はコストアップで経営は苦しい。円高はそうしたコストアップをある程度軽減してくれる。サービス経済化しているとはいえ、やはり、こうしたコストアップを国内の製品サービス価格に多かれ少なかれ転嫁していかざるをえないだろう。

 だが、そうしたコスト上昇分を販売価格に転嫁できなければ、企業は存続できなくなる。大企業は中小企業にしわよせがしやすいから生き延びやすいが、価格転嫁が難しい中小企業の中には経営革新に成功しない限り、事業から撤退をよぎなくされるところが増えると思う。

 個人も、資源国への大幅な所得移転の影響を受け、いままでのような物質的豊かさを続けることは難しくなる。したがって、資源生産性を高める、即ち、より少ない資源で満足度を維持するようなライフスタイルに転換せざるをえない。3R(Reduce Reuse Recycle)や省エネを求められる。

 メディアは、いまだに円高を輸出企業の観点だけでマイナスに評価する。また、物価が上昇しないと、デフレから脱却したことにならないというエライ先生のお言葉をしばしば引用するくせに、4月からの相次ぐ値上げで生活が大変だと報じる。どうなっているのかと思う。 

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