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2008年4月 3日 (木)

額賀財務相の発言はおかしい

 4月1日に財務省で行われた額賀財務大臣の記者会見録を読んだ。会見録の公開(4月2日)にあたって、これはエイプリル・フールだったから真に受けては困るという注書きが付いているのかなと思ったが無かった。本当に、こんなことを言っているのなら、頭がおかしいのではないかとすら思う。

 会見において、記者はガソリン税などの暫定税率が期限切れになった件で、「(福田総理大臣や額賀財務大臣が)今の状態では歳入に穴が開いてしまって、将来世代に負担をツケ回すことにもなりかねないということを訴えている」のに、国民にあまり理解されていないようにみえるがどうかと、大臣の所見をたずねている。

 これに対し、額賀大臣は暫定税率維持など政府の改正法案の提出理由について、「一つに、必要な道路を整備していくことが地域の活性化や将来の日本国土全体のバランスのとれた発展基盤を作っていくことになる」、もう一つは、欧米諸国では環境問題に対処するためガソリン税を上げていく手法を採るという共通の認識があり、日本も同じ意識を持つことが大事である、と答えている。そして、「我々の時代のツケ、借金は我々の時代に解消していくこと」が将来世代のために必要だと述べている。

 しかし、この大臣の認識はおかしい。暫定税率の延長、つまり歳入が決まってもいないのに、予め勝手に決まったことにして組んだ歳出予算を無理矢理、実施しようとすれば、穴があくのは当たり前である。

 田中角栄さん(といっても、いまの若い人たちは知らないだろう)がつくった道路特定財源―道路特別会計や、暫定税率はとっくに役目を終えている。社会保障制度の整備や財政健全化などが重要な課題となっている今日、道路優先の歳出構造は改める必要があるのは言うまでもない。いまだに土建国家の発想を持っているとはあきれる。

 西欧では環境対策としてガソリンなどに相当な税をかけているが、税収を道路整備のための財源に特定しているような国はない。環境対策だけに充てるというような目的税でもない。一般財源にするか、社会保障関係の費用に充てている。日本では、道路をつくることが先にあって、そのために、特定財源としてガソリン税などをかけるという発想である。だが、西欧ではガソリンなどの消費を抑制するために税金をかけることが先で、税収を何に使うかは後の話である。順序が逆である。

 今回、ガソリン税などの暫定税率がなくなり、ガソリンなどの消費を抑制するというのとは逆になった。その点は、道路特定財源を一般財源化するという改革のパッケージの中で、ガソリン税などの関係諸税を基本的には環境税に改めればいい。無論、これは消費抑制による温室効果ガス排出抑制のためであって、税収は当然、一般財源にすべきである。

 そうなれば、大臣が言う「我々の時代のツケ、借金」を減らすことにも充てることが可能になる。道路だけに税収を振り向けるこれまでの道路特別財源をさらに継続したら、それこそ、道路あって国民生活なし、のようなとんでもない国になってしまう。もっと緊急性、重要性の高い歳出をまかなうために国債を増発することになり、もっと財政悪化が進む。

 福田総理が一般財源化などを言い出しているのに、まだ額賀大臣が時代感覚を欠いた発言をしているとはあきれはてる。まして財務大臣なのに。 

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コメント

きっと額賀大臣は一昔前の大臣気質の人なのだろう。
つまり、シナリオライターが別にいて、その言いなりであり、それ以外にはコメントする言葉がない程に完全な素人なのであり、ポストが欲しかっただけの人ではないか。かつては大蔵大臣になれば総理の椅子が見えるとされていた。しかし、今や、成り手にとっては厚生労働大臣や農林水産大臣と同様なポジションとなっているのではないだろうか。その裏付けとして新人や有力者でない人の就任が目に付くのではないだろうか。

投稿: たろう | 2008年4月 3日 (木) 10時25分

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